韓国の外国為替市場でインターネット銀行が台頭
韓国の外国為替市場で、インターネット銀行が勢いを見せている。
昨年、カカオバンクの海外送金利用金額は10億ドルを突破した。利用件数も61万6000件で、年間基準で過去最多となった。
カカオバンクは2017年の設立と同時に、海外送金コストを他行平均の10分の1水準に下げ、手数料体系を単純化するなど、簡単で便利な利用方法で市場にインパクトを与えた。
サービス開始当初は約1万件にとどまった月平均送金件数は現在、5万件を超えるなど、急成長を見せている。
トスバンクも最近、外国為替業務に本格的に乗り出した。一生無料両替、海外NFC決済や公共交通機能支援などを武器として利用者を集めているところだ。
24日基準、トスバンク外貨通帳は30万口座が開設されたが、これは商品発売から6日での記録だ。
市中銀行の間では、既存の事業方式に安住していては顧客を奪われるかもしれないとの危機感が広がっている。
市中銀行は、100%非対面で運営されているインターネット銀行との競争では、低コスト化とプロセス簡便化では勝ち目がないとみている。
一方、企業の外国為替業務はインターネット銀行がまだ進出していない領域だ。これに加えて「顧客ロイヤリティ」を高めるためのサービス高度化に注力している。
ウリィ銀行は今月、法人・個人事業者が外国為替取引と為替リスクの管理を行える非対面外国為替電子取引プラットフォーム「ウリィWON FX」をオープンした。
非対面プラットフォームでの注文受付や約定など全過程をリアルタイムで実行でき、利便性を向上させたのが特徴だ。
KB国民銀行は外国為替取引の異常兆候自動探知システム「KB-Safe Trade System」を構築した。
これにより、海外取引相手、物品、運送情報などの取引情報を通じて、マネーロンダリングなどの異常兆候を把握することができる。貿易取引から単純送金取引まで、銀行全体の為替取引状況も監視可能で、為替取引関連の国内外の規制変化にいっそう迅速に対応できる。
市中銀行の関係者は「外国為替市場におけるインターネット銀行の勢いは脅威だ」としながら、「すぐにベンチマークするのは難しく、顧客囲い込みのために両替手数料の優遇、景品イベントなどのプロモーションを推進中だが、可視的な効果を期待するには限界がある」と述べた。
続けて「代わりにインターネット銀行にとってハードルの高い企業金融分野の競争力の強化に力を入れている」とし、「市中銀行の外国為替収益ポートフォリオにも大きな変化が起きるだろう」と付け加えた。
アン・ソユン記者