韓国カード会社の仮想通貨事業、迷走続く

ビザカードやマスターカードが、仮想通貨市場に熱を上げている。両社(マスター・ビザカード)は、仮想通貨を未来の決済手段と認識し、連携や投資の領域を広げている。

「金融資産と見なさない」政府方針

しかし、韓国のカード会社は政府の政策基調により、関連サービスを中断。事業の発掘が事実上、止まっている。

マスターカードは先月、デジタル資産プラットホーム「バクト」と提携した。今回の提携によりマスターカードは、会員が提携銀行や加盟店でカードポイント、航空・ホテルポイントなどをビットコインに転換してもらえるサービスを推進している。

マスターカードが仮想通貨の関連会社と協業したのは初めてではない。先立って、4月に取引所ジェミニと提携クレジットカードを発売し、今月は香港、タイ、オーストラリアなどの取引所と提携した。

ビザカードも今年3月から、ステーブルコインを通じた決済を支援している。ステーブルコインは仮想資産の価値が法定通貨と連動している、変動性の少ない仮想通貨だ。各国の中央銀行が発行するデジタル貨幣(CBDC)が代表的だ。

両社はオンライン・オフラインの加盟店において、仮想通貨で決済、決済金額の一部をビットコインで返済するなど関連サービスを拡大する方針だ。

ビザ・マスターカードが仮想通貨企業への投資と提携を拡大するのは仮想通貨決済を未来の新事業と見ているからだ。

実際、ビザカードが今年上半期、仮想通貨関連の決済額を初めて集計した結果、6カ月ぶりに10億ドルを突破したと発表した。市場潜在力に対する期待が高まっている。

海外の大手カード会社が仮想通貨の決済を巡り、陣取り合戦を繰り広げている。しかし、韓国のカード会社は低迷している。2018年、カード業界は企画財政部、金融委員会など政府省庁との会議後、仮想通貨取引所でカード決済を中止し、カードポイントを仮想通貨に転換するサービスを中断した。外替取引法、マネーロンダリング防止法などに違反しかねないという判断があったからだ。

今後も韓国で仮想貨幣の関連サービスや事業を推進することは、難しいものと見られる。今年8月、高承範(コ・スンボム)金融委員長が仮想通貨を金融資産と見なさないという従来の金融委の立場を維持したからだ。

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先月から、国会を中心に仮想資産業権法の制定に対する議論が行われている。ただ、金融委や企画財政部、科学技術情報通信部など多数の省庁が関わっている特性上、論議にスピードがつくかどうかはまだ分からない。

韓国クレジットカード学会のソ・ジヨン学会長は「海外の決済金融会社が仮想通貨で先占競争を繰り広げているが、国内カード会社は事実上、源泉遮断された状況だ」としながら、「需要はあるが根拠規定や法がないため、初期段階に止まっている」と述べた。

また、カード業界のある関係者は「現在、カード会社のコイン関連事業は違法でもなく合法でもない曖昧な状態だ」とし、「コイン関連の事業を始めるのは、雰囲気的に簡単ではない」と説明した。

パク・ジンヒョク記者