行くも地獄 戻るも地獄…ミャンマー進出の韓国カード会社

ミャンマーに進出した韓国のクレジットカード会社の苦悩が深まっている。今年上半期の実績悪化とともに、7日にはミャンマー現地の民主陣営が武装蜂起を宣言し、営業再開も不確実な状況だ。

撤退すれば再進出は難しい

だからといって撤退すれば、再び再進出するのは難しくなる。ミャンマーは東南アジア地域で市場潜在力が高い国に挙げられる。当分の間、カード会社各社が現地法人(ミャンマー)を保守的に運営するものと見られる。

ミャンマー国民統合政府(NUG、民主陣営)のドゥワラシ大統領代行は7日、軍部のクーデター政権を相手に宣戦布告した。軍部がクーデターを起こしてから約7カ月ぶりのことだ。

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今年2月にミャンマー軍部がクーデターを起こした後、新規営業中止や駐在員の撤退などの措置を取り、制限された営業を維持していた韓国カード会社はさらに困難な状況に陥った。内戦に新型コロナウイルス拡散まで加わり、貸倒引当金を増やす可能性も提起されている。

貸倒引当金を積み増し

現在、ミャンマーに進出している韓国のカード会社は、新韓、ウリィ、KB国民の3社だ。

KB国民カードは分割払い金融とクレジットカード業のために現地の与信専門金融会社のライセンス(免許)の取得を準備中だったが、現地の状況でライセンス承認が保留になっている状態だ。

現地で小額融資を中心に営業を展開してきた新韓カードとウリィカードは、内戦による業績悪化を実感している。今年上半期、新韓カードはミャンマー現地法人で90億ウォンの赤字を出した。損失に備えて貸倒引当金(120億ウォン)を積み立てた結果だ。

ウリィカードのミャンマー現地法人の今年上半期の純利益は11億ウォンと、前年同期(36億ウォン)比69%激減した。年内に営業を再開しようとしていた計画も不透明になり、今年8月にはミャンマー金融業進出のための先行作業として事務所設置を決めたが、これさえも実現性は未知数だ。

タイでの教訓

カード会社各社が完全撤退に踏み切れる状況でもない。ミャンマーが「新南方戦略」の中でも重要な市場であり、何よりも現地当局の許可を受けなければならない金融業の特性上、撤退すれば再進出ができなくなる可能性があるからだ。

実際、韓国が1998年の通貨危機の際、金融機関はタイから大挙して撤退した。その後、現地で韓国系金融会社に対する否定的な認識が強まり、今年になってKB国民カードが進出するまでの約20年間、新規ライセンスの承認を受けられなかった。

今後の見通しも明るくない。7日にはNUGの内戦宣言後、ミャンマーとヤンゴン郊外の3カ所で戦闘が発生したという。そして同日、ミャンマーの新型コロナウイルスの累積感染者が41万人を突破するなど、防疫状況も容易ではない。経済活動が不確実になり、融資が不良化する可能性も高まっている。

ウリィカードの関係者は「長期的な判断でミャンマー金融に進出しようとしたが、当分は現地の状況を考慮し、制限的に運営する計画」と述べた。

また、新韓カードの関係者は「新規営業は既存の債権回収を中心に維持だけしている状況」とし、「これまでより交戦リスクが高くなっただけに、現地職員の安全を最優先に運営する」と述べた。

パク・ジンヒョク記者