韓国政府、貯蓄銀行の非業務用不動産売却を義務化へ

2022年から、韓国貯蓄銀行の非業務用不動産処分に弾みがつく見通しだ。有名無実な自主規制で貯蓄銀行の非業務用不動産の整理が遅滞していることを受け、金融当局が法制化に乗り出した。

法改正、違反に課徴金

金融委員会の中小金融課は現在、貯蓄銀行の非業務用不動産の売却を巡り、法改正に対する意見を集めている。年内に非業務用不動産の売却を義務付ける内容の法改正案を予告する計画だ。

改正案には、貯蓄銀行が非業務用不動産を取得する際に、一定期間内の売却を義務付け、これに違反した場合、課徴金を科す内容が含まれると予測されている。

現在の相互貯蓄銀行法は、貯蓄銀行の非業務用不動産の保有を禁じている。ただし、借主が融資を返済できず、貯蓄銀行が担保物を取得した場合は例外だ。

この場合も、貯蓄銀行中央会の標準規定に基づき、取得後5年以内に処分しなければならない。2016年からは金融監督院も、貯蓄銀行が所有する非業務用不動産を毎四半期ごとに公売などを通じて売却するよう行政指導している。

貯蓄銀行の非業務用不動産が増えることによって流動性が縮小し、経営不健全化のリスクが高くなるという判断によるものだ。また、これまで貯蓄銀行が非業務用不動産で賃貸業を営むなど逸脱もあった。2008年には、一部の貯蓄銀行で不動産プロジェクトファイナンスによる不良債権が発生したこ際、担保不動産を鑑定価格より高値で購入し、不良債権を隠ぺいする事例が発生した。

現行規定、有名無実化

それにも関わらず、昨年から貯蓄銀行の不動産売却のテンポが急激に下がっている。今年上半期、貯蓄銀行の非業務用不動産資産の合計は計1692億2200万ウォンで、前年同期(1709億8200万ウォン)から1%減にとどまった。2020年の減少率は5%だった。

2018年と2019年の前年比の減少率がそれぞれ30.5%、32.17%だった点を勘案すると、事実上、非業務用不動産の売却は止まったという見方が支配的だ。

特に、「5年以内の処分規定」を守らずにいる会社もいる。2016年から年単位で分析した場合、非業務用不動産資産を一度も縮小しなかった貯蓄銀行は、今年上半期までに計5行(マストサムイル・セントラル・オーツー・アキュオン・韓国投資)だ。

貯蓄銀行別では、韓国投資貯蓄銀行とアキュオン貯蓄銀行は非業務用不動産資産を、それぞれ計4億2600万ウォンと15億3900万ウォンずつ5年間、保持している。オーツーとマストサムイル貯蓄銀行は非業務用不動産のうち建物資産を、セントラル貯蓄銀行は土地資産を縮小していない。

このような状況のため、貯蓄銀行中央会の標準規定の強制性が落ちているという指摘が相次いでいる。標準規定上、非業務用不動産を5年以上売却していない貯蓄銀行は、資産を韓国資産管理公社(キャムコ)に委任することになっているが、拘束力がなく違反する企業が現れている。

一方、2016年に金融当局は、貯蓄銀行が非業務用不動産を取得した場合、3年間の猶予期間を与え、処分期限内に未処分の場合、取得価額の10%を課徴金として賦課するという内容の改正案を推進したことがある。

パク・ジンヒョク記者