韓国の銀行圏、貿易収支赤字で財務健全性に懸念
韓国の輸出企業に対する銀行圏の支払保証が増加傾向を見せている。長引く景気の不確実性を受け、貿易にも制動がかかりかねないという見通しが出ており、銀行の財務健全性を巡る懸念も出ている。
支払保証、15%増加
金融業界によると、韓国の4大都市銀行(KB国民、新韓、ハナ、ウリィ)の昨年第3四半期の支払保証額は52兆3244億ウォンで、2020年の第3四半期(45兆4168億ウォン)に比べ15.2%増加した。
同期間、銀行別に見ると、新韓銀行が13兆1108億ウォンから18.38%増えた15兆5210億ウォンを記録した。続いてハナ銀行が13.31%上昇した15兆3225億ウォン、ウリィ銀行は13.3%増えた11兆8337億ウォン、KB国民銀行は15.65%増加した9兆6472億ウォンと集計された。
支払保証とは、貿易取引において債務者(企業)に問題が発生した場合、当該銀行が債務の肩代わりを約束することを意味する。多くの場合、銀行は融資先企業に支払保証を行う。企業は銀行から保証書を発行してもらう代わりに、月または四半期ごとに、これに見合う費用を支払う。
新型コロナウイルスのパンデミックで萎縮していたグローバル市場が回復傾向を示し、行き詰まっていた貿易の道が徐々に開かれ、輸出好調に対する期待感が反映された影響と分析される。同時に、銀行の支払保証の対象のほとんどが輸出企業であるだけに、支援規模もともに拡大したためだ。
月間赤字、史上最高
昨年、韓国の年間輸出額は通関基準で6444億ドルと、史上最高を記録した。昨年12月も二桁の伸び率を見せ、月間輸出額基準で過去最高を達成した。
一方、今年から輸出に制動めがかかりかねないとの否定的な見通しが出ている。エネルギーを中心に高騰した原材料価格やオミクロン株の拡大による不確実性を受け、先月の貿易赤字は史上最高値を記録した。
貿易収支(貿易を通じた輸入と支出)が昨年12月、20カ月ぶりに赤字に転じた後、先月は過去最高の48億9000万ドルの赤字を記録した。2カ月連続で赤字を記録したのは、2008年の世界的な金融危機以来14年ぶりだ。
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今後の景気を予測する先行総合指数の循環変動値も、昨年7月以降、6カ月連続で下落傾向を見せている。ちなみに、昨年6月の102.8から、12月には101.2まで低下した。
韓国開発研究院の関係者は「対外的に供給網の混乱、主要国の緩和縮小などが景気の下ぶれリスクとして作用する可能性が高い」としながら、「世界の産業生産と交易量が停滞し、輸出の増加幅が少しずつ鈍化している」と判断した。
問題は、企業の返済能力だ。景気の下ぶれリスクの拡大を受け、輸出企業各社の打撃は避けられないものと見られ、借りたお金を適時に返済できない「信用リスク」への懸念が出ている。企業の資金調達能力が悪化すれば、支払保証を行う各銀行の負担も増えざるを得ないので、引当金の積立など不健全性に備えなければならない。
ある銀行界の関係者は「企業の融資を行う際に必要な支給保証書や担保を受けて、これらの返済能力を判断している」としながら、「また、支給保証に対する引当金を積んで適正範囲を維持するなど、財務健全性管理に気を使っている」と述べた。
イ・ジウン記者