教保生命、ベトナムに着目…ミャンマー進出は暗礁
軍事クーデターに揺れるミャンマーで、海外進出の苦杯を味わった韓国の教保生命が、「新南方戦略」の次の一手としてベトナムに目を向けている。
ミャンマー政府は昨年1月、外資に対する保険市場の開放を決定。教保生命は同年9月、東南アジア市場に進出するための足がかりとして、ミャンマー駐在事務所設置のための認可を同国政府から得た。
今年1月には事務所開設に至るが、それからわずか1か月後、軍事クーデター発生で教保生命のミャンマー進出は暗礁に乗り上げた。業界消息筋によれば、教保生命はミャンマー進出を短期間で進めることは困難との判断を下しているという。
教保生命がミャンマーに目を向けたのは、東南アジアの保険市場を調査・分析する上で有利との判断があったからだ。近い将来、ミャンマー国営保険会社の持分取得やジョイントベンチャー(JV)設立など多様な進出案を模索していたが、事実上、無期限延期された。
ミャンマーの政情がある程度沈静化しても、他の産業の正常化が優先されるとの読みもある。
教保生命の「新南方戦略」は、慎昌宰(シン·チャンジェ)会長が昨年、明らかにした「両手利き経営」の一つだ。慎会長は「片手では既存事業に集中し、他方では未来の成長動力を発掘しなければならない」と強調してきた。
ハンファも注視
現在、教保生命はベトナム進出を検討している。新規法人を設立するよりは、現地の生命保険会社を買収するか、持分を一部買い入れる形になる見通しだ。
ベトナムは現在、子会社の設立や持分の買収などを通じて、韓国のさまざまな保険会社が進出している。
ベトナム進出の成功事例に挙げられるハンファ生命のベトナム法人も、教保の動向を注意深く見守っている。ハンファ生命は2009年、ベトナムのホーチミンに完全子会社形態の生命保険会社を設立した。
ハンファ生命のベトナム法人は進出から7年後の2016年、初の黒字転換に成功した。 ホーチミン、ハノイ、ダナンなど主要都市を拠点に144の営業店舗を確保し、全国的な営業網を構築した。
今年上半期の当期純利益と営業収益はそれぞれ85億ウォン/1140億ウォンと、前年同期比それぞれ333.9%と494.9%増加した。
新韓ライフも今年2月、ベトナム財務省から現地生命保険会社の設立認可を取得した。 来年の発足を目標としている。
これに先立ち、未来アセット生命も2018年、フランス資本であるプレボア生命の株式を50%買収する形でベトナムに進出した。サムスン生命も持続的に投資機会をうかがっている。
教保生命の関係者は「現在ベトナムを含む東南アジア地域に対する市場調査を進めている」と述べた。
一方、昨年のベトナムの生命保険市場の収入保険料は6兆6000億ウォンで、韓国(120兆ウォン)に比べると5.5%の水準だ。しかし、人口は韓国の2倍ほどもあり、保険市場の成長可能性が高いという評価を受けている。
パク・ヨンジュン記者