韓国政府、生保の不適切契約で全数調査に着手

韓国政府の金融監督院は昨年、教保生命に対する総合検査でバンカシュランス(銀行内保険販売)チャンネルでの不当乗換契約事例を発見した。これを受け、同院は最近、生保に対する全数調査に乗り出したことがわかった。

教保生命の摘発事例が端緒に

金融監督院の生命保険検査局は最近、すべての生命保険会社にバンカシュランスでの比較案内文に関連する電算システムの運営実態に関する資料の提出を要求した。

不当に既存契約の解約を誘導し、新契約を締結する「乗換契約」が発生しないよう十分な比較案内がなされたかを確認するためだ。

過去に締結されたバンカシュランス契約に、比較案内義務に違反したケースを把握した場合、課徴金賦課の制裁措置を下すものと見られる。

ターゲットになったのは、過去に銀行で販売された保険契約の比較案内に関する手続き内容だ。保険会社はアクチュアリ―などの勧誘を受けた顧客が保険商品に加入する過程で既存契約の不当な解約に誘導され、新しい契約を締結しないように両契約間の保険期間および予定利子率など十分な情報を与えなければならない。

しかし、一部の生命保険会社は銀行で保険を販売しながら、比較案内文が表示されないなど問題のある電算システムを運営していた。銀行と保険会社の電算システムが適切に連動していないため、販売の過程で契約者が自身の保険加入情報を確認できず、過去の商品との比較案内がなされなかったのだ。

課徴金、多額に

今回の実態点検は教保生命の事例が端緒となった。昨年、教保生命は既存契約と新しい契約の比較内容を告知しないまま、既存の保険契約と保障内容が類似した年金保険に新しく加入させた事実が総合検査を通じて摘発され、課徴金処分を受けた。同社が命じられた課徴金計24億ウォン余りの半分ほどが、このケースを巡るものだとされる。

保険業法によると、課徴金の額は当該保険契約の年間保険料売上の100分の50以下が基準となるが。バンカシュランスで販売する貯蓄性保険などは、保険料規模が保障性保険と比べ非常に高い。

ある保険会社の関係者は「金融監督院が2016年以降に締結されたバンカシュランス契約について実態把握を始めた」としながら、「年金保険や貯蓄性保険などが銀行で多く締結されているため、摘発されれば課徴金規模は大きくなるだろう」と話した。

ユ・ジョンファ記者