「安い時に返そう」韓国で円建て融資の前倒し返済が増加
過去最高の円安現象を受けて、銀行圏の円建て融資が続々と償還されている。
今年初め950ウォン台だった円の対ウォン・レートは、しばらく900ウォン台に留まり、今月初めから860ウォン台に落ちて弱含んでいる。
韓国の銀行圏によると、KB国民・新韓・ウリィ・ハナ銀行の先月末基準の円建て融資残高は759億7000万円と集計された。2022年1月末(827億7000万円)より68億円(8.21%)減少した規模だ。
これは、日本円の為替レートが33年ぶりに最低水準となったことを受け、為替差益効果を狙った企業が積極的に「借金ダイエット」に乗り出したことによる結果だ。
市中銀行のある関係者は「円安現象が本格化した昨年の初めから、円高の時に融資を受けた個人事業者を中心に償還が続いている」とし、「銀行的にもリスク管理レベルで企業にウォン建て融資への転換を誘導している」と述べた。
続けて「反面、当局が外貨融資に課している用途制限のハードルの高さと、過去の為替レートの急変動時に大きく火傷した経験などにより、円安現象の中にあっても新規融資需要は変化が少なく、全体的な規模が大幅に減った」と説明した。
円の価値が底を打ったという分析が出始めただけに、為替差益確保に乗り遅れないように償還の動きがさらに速くなるという見通しも出ている。
日本の鈴木俊一財務大臣は14日、円の価値が下落する為替動向について「過剰な為替レートの変動は望ましくないというのが基本的な考え」とし、「引き続き万全の対応をしていく」と述べた。
これに先立ち1日、神田眞人財務官も「市場介入待機状態」であることを強調した。