MTSで業績改善なるか…韓国カカオペイ証券

2月に公式サービスを開始するカカオペイ証券MTS(モバイルトレーディングシステム)が、カカオペイの業績改善につながるかが韓国金融業界の関心を集めている。関連業界ではすでに、証券サービスを通じて潜在顧客を確保しているだけに、長期的な成長が可能だと予想している。

口座数は業界1位、残高は14位

カカオペイ証券は昨年末現在、計227万個の個人公募ファンド口座を保有している。

これは、個人公募ファンドを扱う証券会社25社のうち、トップに当たる数字で、割合では全体の33.1%に達する。口座数で2位の未来アセット証券(81万4000座)と比べても、3倍近い。

しかし、ファンドの残高は3326億ウォンと、証券会社25社全体の残高の1.2%に過ぎず、収益性は高くないのが現状だ。順位では14位で、中下位グループに入る。

カカオペイ証券の残高が少ない理由は、顧客が実際に資金をファンドに投資したというよりも、「コイン集め」などの方法で集められた小額を投資したためと分析される。

カカオペイ証券は、顧客の投資経験を拡大するのが優先的な目標だっただけに、今後、顧客のニーズを満たすさまざまなサービスを通じ、投資規模を増やしていく意向だ。

カカオペイ証券の関係者は「カカオペイ証券が販売したファンドは、少ない金額でも地道に投資できる文化を作ろうというビジョンを込めたものだ」としながら、「少額でファンド投資を経験した顧客が金額や回数を増やすなど、投資を拡大しており、規模は次第に拡大するだろう」と述べた。

カカオペイのイ·スンヒョ最高個人情報責任者(CPO)も、昨年第3四半期の実績カンファレンスコールで「現在518万個の証券口座を確保しているが、MTSが発売されれば、少なくとも1000万まで増えると予想している」としながら、「中長期的にファンドと年金のための多様な金融商品を提供してポートフォリオを増やしていく」と明らかにした。

金融投資業界も同様に、ファンドなどのカカオ証券サービスを利用する既存の客数は、今年2月公開されるMTS利用者数の増加へとつながる可能性があるだけに、いっそうの成長を見込んでいる。特に、3700万のカカオペイ利用者を潜在顧客として確保したという強みは、このような予測を裏付けると口をそろえている。

SK証券のチェ·グァンスン研究員は「2022年、カカオペイは既存の簡便決済市場の成長とともにカカオペイ証券のMTS発売、デジタル保険会社の発足などのイシューがある」とし、「トップライン成長傾向が続けば本格的な収益性改善が可能だ」と分析した。

手数料競争は一服

ただ、一部の関係者の間では早期の業績改善は難しいという見方も出ている。証券会社の手数料競争が一服した状況で、4月30日までとなっている株式の取引手数料無料の恩恵が長期化する可能性が高いという理由からだ。

特に、証券や保険など、新事業構築のために営業費用が2020年第3四半期より56%増加し、昨年第3四半期の当期純損益(-18億8600万ウォン)が赤字へと転換しただけに、これを挽回するまでは長い期間がかかるものと予想している。

証券業界の関係者は「カカオペイ証券の場合、一般的な証券会社と異なり、当面は委託売買部門で発生する収益だけを得る構造だ」としながら、「株式相場の悪化による取引の鈍化などが続く状況の中、株式取引を通じた収益性を大きく期待することは難しい」と述べた。

ユ・スジョン記者