韓国のインターネット銀行、カード業に進出余地
韓国のクレジットカード業界で、信用販売収益が低調だ。そのため金融他業種から見た魅力は薄れているが、インターネット銀行は新規顧客獲得のため、敢えて進出する可能性があるとの分析が出ている。
「弱み」補完、コストも「安い」
韓国政府の金融委員会は最近、こうした内容を含む報告書「第2期金融産業競争度評価委員会の運営結果」を発表した。
同報告書によると、クレジットカード業界の本業とも言える信用販売は、フィンテックおよびビッグテックとの決済部門の競争、加盟店の手数料率規制により収益性が低下した。また、政府による家計債務の管理強化でキャッシングの資産成長率が鈍化した点もカード業に対する参入障壁を高めた。
ただ、インターネット銀行については、クレジットカード業への進出を検討する余地が残っていると指摘。支店営業ができず、非対面でのみ顧客募集を行っている状況など、インターネット銀行の限界を考慮すると、新規顧客確保のためにカード業に進出しうるとの見方を示した。
また、インターネット銀行がこうした弱みを補完しようとの動機を抱いた場合、クレジットカード会員に対する付加サービスの提供コストについて、相対的に「安い」と評価しうるとも見ている。
今後、インターネット銀行がカード業界に進出する場合、競争による貸出金利の低下などの期待効果も予想される。
報告書は「インターネット銀行がクレジットカード業を営みながら、キャッシングサービス、カードローンなどで競合他社に比べて低い金利を提示して顧客の確保を図ることも考えられる。金融消費者の立場では、競争により貸出金利が低くなる効果が期待できる」との指摘に言及した。
チョン・テヒョン記者