韓国保険会社の住宅担保ローン金利、1年で0.4%上昇
昨年、史上最低水準に落ち込んだ保険会社の住宅担保ローン金利が、今年に入り、急激に上昇している。市場金利が持ち直したことに加え、保険会社が金融当局を意識し、貸付総量の調整に乗り出した結果と見られる。
国債利回り・総量規制が影響
生命・損害保険協会が27日までに公開した資料によると、サムスン生命など大手保険会社の住宅担保ローン金利が1年間で大幅に上昇した。サムスン生命の分割返済方式の住宅担保ローン金利(変動金利)は今月基準で3.13~6.04%となり、最高金利では前年同期(2.64~4.74%)より1.3%も上昇した。
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同期間、教保生命の住宅担保ローン金利も2.93~3.12%から3.65~3.72%と同0.6%上がった。ハンファ生命の住宅担保ローン金利も2.45~3.22%から2.81~4.71%へと同0.28%上昇した。ハンファ生命は今年1月の時点においても、2.87-3.97%にとどまっていた。
住宅担保ローンが実施された生保6社の平均金利を融資額別に加重平均すると、昨年7月の2.83%から今年7月は3.22%へと1年間で0.39%上昇した。損保会社の住宅担保ローン金利も0.36%上がった3.32%と集計された。
このような金利の上昇傾向は、国債利回りの上昇と金融業界の融資総量管理規制が重なった結果である。国債利回りは年明けから上昇傾向を見せている。銀行圏は住宅担保ローンの変動金利の基準にコフィックス(COFIX・資金調達費用指数)を用いるが、保険会社は国債利回りを基準に住宅担保ローン金利を算定する。
優遇金利も縮小
一部の保険会社は第2四半期に入り、優待金利の形で提供されてきた割引特典を減らしたり、なくしたりする方法で金利を引き上げた。保険会社の融資は、保険に加入しなくても申請できるが、複数の保険に加入すると優待金利の適用を受けることができる。
通常、保険会社の金利は都市銀行より高い。ただ、超低金利基調が維持された昨年は、保険会社の住宅担保ローン金利も銀行とほぼ同じになった。特に、保険会社の個人別総負債元利金返済比率(DSR)限度は60%で、銀行の40%に比べて相対的に甘く、住宅担保ローン上限額も銀行より高い。
ある生保関係者は、「保険会社は優良保険契約者に優遇金利を適用しているが、最近、政府の家計貸付管理計画に合わせるために優遇金利を縮小している」とし、「融資総量の目標値を上半期にほとんど満たし、下半期には制限的に融資を行うものとみられる」と述べた。
金融当局は今年初め、保険会社に対し、家計債務の管理を要請し、年間増加目標値を受け取った。目標値は3~5%以内だという。しかし最近、第2金融圏からの家計貸付が急増し、総額が増加した。一部の保険会社で目標値を小幅超過する事例が出ると、金融当局は改めて、家計貸付の管理を要請している。
ユ・ジョンファ記者