韓国の銀行、利子利益が急増…今年の純利益、3四半期で前年通期上回る

韓国の銀行が融資の増加に支えられ、今年第3四半期の累積利子利益で33兆7000億ウォンを稼いだ。これを受け、国内銀行の当期純利益は、昨年を大きく上回ったもことも明らかになった。

金融監督院が発表した「2021年第3四半期国内銀行営業実績(暫定)」によると、国内銀行19行の累積当期純利益は昨年同期より50.5%増の15兆5000億ウォンと集計された。昨年の通期の純利益である12兆1000億ウォンよりも3兆4000億ウォン多い。

また、第3四半期中の当期純利益は4兆6000億ウォンと、昨年同期より1兆1000億ウォン増えた。ただ、それぞれ5兆ウォン台を記録した第1・2四半期よりは純利益は減少した。

国内銀行がこのような好業績を収めた理由は、融資資産が増え、利子利益が急増したためだ。

今年第3四半期、国内銀行は利子利益で11兆6000億ウォンを稼いだ。昨年同期より1兆3000億ウォン多い。また、第3四半期までの累積利子利益は前年と比べて2兆9000千億ウォン増加した33兆7000億ウォンだ。

利子利益から調達費用などを差し引いた金額を資産で割った純利子マージン(NIM)は1.44%と、昨年第3四半期より0.44%上昇した。これと関連し、金融監督院は融資債権など利子収益資産の増加傾向が続いていると分析した。

特に、融資金利と預金金利の差である預貸金利の差は、第2四半期に続き第3四半期にも1.80%を記録、昨年の第3四半期より0.4%拡大した。昨年の第4四半期と比べると0.8%上昇した。

非利息利益は減少

第3四半期の非利子利益は1兆2000億ウォンと、昨年第3四半期より6000億ウォンが減った。外替・デリバティブ(▲5千億ウォン)、有価証券(▲1千億ウォン)、手数料(▲300億ウォン)など大半の部門で利益が減少した。

第3四半期の国内銀行の貸倒費用は、昨年同期より1兆1000億ウォン減少した3000億ウォンであることが分かった。資産健全性が良好に保たれた上、昨年、新型コロナウイルスの感染拡大を受け引当金の積立を拡大した基底効果によるものだ。

第3四半期の総資産純利益率(ROA)は0.56%で昨年の第3四半期より0.09%上昇し、自己資本純利益率(ROE)も1.07%上がって7.36%を記録した。

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金融監督院は「新型コロナウイルスの影響が長期化する状況で、最近の市場金利の上昇などにより、限界借主の返済能力が低下する可能性があるため、銀行が引当金を積み立てるなど、損失を吸収する能力を維持するよう誘導する」としている。

アン・ソユン記者