韓国で「住宅請約通帳」加入率が低下…銀行の悩み加重
韓国政府の不動産規制措置の余波で、住宅請約総合貯蓄(請約通帳)加入率が日々を重ねて下がっていることが分かった。その結果、請約通帳を媒介に長期取引顧客を確保してきた銀行の悩みも深まっている。
住宅請約とは、銀行に専用口座を作って積み立てると、一定期間後に新築マンションの分譲申請を行う資格が得られる制度だ。
「融資締め付け」影響
韓国不動産院が6日までに公開した資料によると、昨年11月基準、全国の請約通帳の加入者数は4万6465人で、前年同月(15万6486人)比で70.3%急減した。昨年8月の10万9177人から9月は10万1685人、10月は6万5911人と、引き続き減少傾向を見せている。
これは韓国政府が家計債務の急増を防ぐため、全方位的な「融資の締め付け」に乗り出したためだ。最近、住宅資金の調達が難しくなり、マイホーム購入をあきらめた『チョンポ族(※1)』が増えた結果とみられる。家計向け融資増加率の目標値が昨年6%から今年は4~5%に下がり、総負債元利金返済比率(DSR)規制の早期の拡大施行で銀行融資の敷居はさらに高くなるという分析だ。
【注※1】「チョンヤク(請約)」と「ポギハダ(諦める)」を合わせ造語で、住宅購入申請を諦めた人々のことを言う。
さらに、今年1月からは、住宅担保ローンや信用融資など、資額2億ウォンを超える融資については、年間の融資元利金の返済額が年間所得の40%を超えることはできない。DSR規制により融資可能な金額が減ることになるため、住宅の購買力低下は避けられない見通しだ。
このような状況で、銀行は10年以上の長期取引顧客の誘致と、手数料収入による非利子収益にマイナスが生じることを憂慮している。
潜在顧客の発掘、難しく
住宅請約貯蓄商品の特性上、加入期間が長いほど当選の確率が高いため、予備請約者が一度申請すれば、当該銀行と10年から多くは20年以上にわたり取引することになる。また、取引期間中、銀行のほかの商品を利用する可能性が高まり、分譲の抽選で当選した場合、住宅ローンを組むこともありうることを考慮すれば、最近の状況により潜在的顧客の発掘は難しくなったと言える。
住宅請約貯蓄は、国土交通部傘下の住宅都市保証公社が基金運用と利子支給を行うため、販売窓口の役割をする銀行は、大きな費用負担なく加入手数料収益を得られる。手数料など非利息的なポートフォリオの比重を増やしている銀行の立場では、請約市場の萎縮は収益性の面でも惜しまれるものだ。
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ある金融業界の関係者は「銀行が預金・積金商品の加入優待項目に請約を入れ、若年層を狙って申し込みイベントを行う理由は将来の長期顧客として確保するためだ」としながら、「請約通帳はひとつの銀行でだけ開設可能なため、誘致競争も熾烈だ」と述べた。
続けて「現在、住宅取引市場は様子見の空気が濃くなり、融資規制で購買力が縮小し、請約通帳の加入者が減っている点は潜在顧客確保と手数料利益の両面で影響を受ける可能性がある」と付け加えた。
イ・ジウン記者