韓国貯蓄銀行業界、家計融資の代わりに企業融資を拡大中

韓国の貯蓄銀行業界で企業融資の残高が大幅に増えた。融資の総量規制で家計向け融資の拡大が難しくなり、比較的ハードルの低い企業融資に目を向けたためだ。

企業融資運用金、前年同期比36%増

金融監督院が7日までに公開した資料によると、昨年末、79行の企業融資運用金は58兆9400億ウォンで前年同期比36.3%増えた。

同期間、大手貯蓄銀行(SBI・OK・韓国投資・ウェルカム・ペッパー)の企業融資運用金は12兆8100億ウォンから18兆3400億ウォンと43.1%増加した。特にウェルカム貯蓄銀行と韓国投資貯蓄銀行は、企業融資運用金をそれぞれ82.5%、62.4%ずつ増やし、急激な成長を見せた。

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一方、大手貯蓄銀行5社の家計向け融資運用金は15兆ウォンから18兆100万ウォンへと20.1%増にとどまった。これは金融監督院が昨年、貯蓄銀行業界の家計向け融資総量の増加率限度を21.1%以内に合わせるよう勧告した影響が大きい。

ある貯蓄銀行の関係者は、「今年、金融当局が勧告した貯蓄銀行の家計向け融資総量の限度規制が10%台で、昨年の21.1%より一段と強化されただけに、企業融資の拡大にさらに集中する計画だ」と述べた。

資産健全性改善

企業融資が増えたことを受け、資産健全性は改善された。金融監督院によると、昨年、貯蓄銀行の総与信延滞率は2.5%で、前年の3.3%から0.8%減少した。

同期間、企業融資延滞率が3.4%から1.8%へと1.6%下落し、総延滞率の下落を牽引したのだ。一方、家計向け融資延滞率は3.3%から3.7%へと0.4%上昇した。

金融監督院の関係者は、「延滞率と固定以下与信も持続的に下落するなど、健全性指標が概ね良好な方だ」としながら「ただ、新型コロナウイルスの再拡散、韓国国外内経済の不確実性などで、多重債務者中心の潜在不良が現実化するかもしれない」と説明した。

続けて「損失吸収能力を強化するよう指導する計画であり、貯蓄銀行の外形拡大によってリスク管理の高度化および資本充実度を高めるための努力を続ける」と付け加えた。

チョン・テヒョン記者