韓国のロッテカード、高値売却が難航

ロッテカードが市場に売りに出されたが、新しいオーナー探しは容易ではなさそうだ。業界が不況下にある中、強気の売値に食指を伸ばす向きが見えない。

私募ファンド運用会社(PE)のMBKパートナーズは、ロッテカードの売却を準備している。売却を公表したわけではないが、候補者を対象に投資説明書を送るなど水面下で作業を進めている。

買収候補はウリィ金融とKT

最も有力な買い手候補として取り上げられているのはウリィ金融持株だ。系列会社のウリィ銀行が2019年にロッテカードの20%の持分を購入し、優先検討権を保有しているからだ。ウリィカードがロッテカードと合併した場合、業界内シェア2位となり、一気に跳躍することができることが買収合併の大きなメリットと評価される。

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しかし、ウリィ金融持株の反応は煮え切らない。カード会社よりは証券会社など他の非銀行系列会社の確保に集中する立場を固守している。

ウリィ持株のイ・ソンウク財務部門副社長(CFO)は先月22日に行われた「2022年第1四半期の経営実績」カンファレンスコールで、「証券会社とベンチャー投資専門会社(VC)優先買収という従来の計画は現在も変わっていない」としながら、「証券会社はグループシナジー効果が最も大きく、VCは資本比率の影響が少なく事業競争力強化の余地が多いだけに、今も優先的に考えている」と説明した。

また、別の有力候補であるKTも最近、MBKパートナーズと接触したが、前向きなやり取りはなかったという。KTはBCカードの持分約70%を保有する筆頭株主だ。

KTは、決済網のレンタル業に重点を置いたBCカードの商品ラインナップを補完するためロッテカードに注目したが、予想より高い売値に困惑している様子だ。

「ウリィ、戦略的な行動」

現在、MBKパートナーズが希望するロッテカードの価格は3兆ウォン程度だと把握されている。

これに対して一部では、ロッテカードの売値が高すぎるとの声が出ている。MBKパートナーズ体制の下、資産と収益性など業界内の立地が大きくなったのは事実だが、カード業界の市場環境が悪化し続けているため、今後の見通しは良くないという。

現在、カード業界は加盟店のカード手数料率の引き下げ、家計向け融資規制の強化、調達金利の上昇などの悪材料が山積している状況だ。

あるカード業界の関係者は、「ロッテカードの価値は短期間で急騰しただけに、急いで購入するのは得策ではなさそうだ。買収の意向がある企業でも、値下げを待つため意思表明を明確にしない」としながら、「ウリィ金融がロッテカード買収から距離を置いたのも、戦略的な行動と解釈できる」と述べた。

チョン・テヒョン記者