韓国の低信用者、金融サービスから疎外…中金利重視の余波

韓国で大手貯蓄銀行の健全性指標が改善されたことが分かった。ただ、低信用の借り手が多い高金利融資の比重を減らして達成した、数字合わせの成果だとする指摘も出ている。

貯蓄銀行の指標改善の陰で

今年第1四半期の大手貯蓄銀行10社の不良債権(NPL)率は3.32%で、前年同期比0.9%改善した。延滞率も3.13%から2.47%へと0.66%下落した。

10社の総融資残高は、同期間に42兆ウォンから57兆7000億ウォンに37%急増した。

貸付金が増加する中で健全性の指標が改善した裏には、低信用者の疎外現象があるという指摘がある。貯蓄銀行が低信用の顧客が多い高金利融資の比重を大幅に減らしたためだ。

大手貯蓄銀行の今年第1四半期の16~20%の金利帯の融資取扱比重を昨年9月と比べてみると、全般的に減少傾向にある。昨年9月は、法定最高金利が24%から20%に引き下げられ、20~24%の金利ローンの整理が終わった時期だ。

最も減少幅が大きいのはOSB貯蓄銀行で、昨年9月の58.58%から今年3月には3.39%と、55.2%も減少した。
続いて、△ウェルカム貯蓄銀行(39.8%)△ダオール貯蓄銀行(26.9%)△サンサンイン貯蓄銀行(19.19%)△OK貯蓄銀行(8.43%)△SBI貯蓄銀行(1.13%)△韓国投資貯蓄銀行(1.0%)の順に減少傾向が現れた。

大手10社のうち、モア貯蓄銀行(20.79%)、アキュオン貯蓄銀行(13.25%)、ペッパー貯蓄銀行(1.67%)の3社だけが増加した。

ある貯蓄銀行関係者は「高金利融資が減ったのは、当局の要請で中金利融資の比重を増やした影響だ。さらに、今年から適用される中金利融資の取り扱い基準金利が昨年より低くなり、高金利帯の取り扱い比重が減ったのだ」と述べた。

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金融当局は昨年5月、中金利融資制度の改善を骨子とする相互貯蓄銀行業の監督規定改正案を立法予告した。

貯蓄銀行の中金利融資の上限金利は、今年から従来の19.5%から16%に下がり、当局は個人・中小企業対象の中金利融資金については実績を150%に拡大算定するというインセンティブも追加した。

監督規定上、貯蓄銀行は総貸付金のうち、個人・中小企業に対する融資比重を30~50%以上で維持しなければならないが、中金利融資金を増やすほど、当該規定を守りやすいわけだ。

これを受け、貯蓄銀行は中金利融資の拡大に集中し、比較的脆弱な借主が集まった高金利融資の取扱額の減少という結果が生まれた。

問題は、金利引き上げが続く中で、脆弱な借主が疎外される現象が加速する恐れがあることだ。
韓国金融研究院のオ・テロク研究委員は「市中金利上昇期には、信用融資の原価費用の増加が避けられないため、脆弱な借株の民間金融疎外が拡大する恐れがある」とし、「低信用者たちがヤミ金融に追いやられる可能性を踏まえ、疎外を最小化するためのガイドラインを設けなければならない」と述べた。

チョン・テヒョン記者