韓国の金融委員会、相互金融圏の貸倒引当金を引き上げ
韓国政府の金融委員会は、相互金融圏の不動産融資の不良債権化リスクが拡大していることを受け、貸倒引当金の積立率を引き上げることにした。
不動産融資の不良債権化リスクに対応
金融委員会は3月29日、「2023年第1次相互金融政策協議会」を開き、相互金融圏の不動産融資の現状を点検しながら、このような決定を下した。
昨年末の時点で、信用協同組合(信協)や農協など相互金融圏の延滞率は1.52%と集計された。
金融委員会は、相互金融圏の健全性管理のため、不動産業および建設業への融資に対する貸倒引当金の積立率を、現行の100%から130%に引き上げる案を検討している。
また、健全性が脆弱と見なされる組合に対する各中央会のモニタリングを強化し、全金融圏の貸主団協約に積極的に参加するだけでなく、相互金融圏の独自の貸主団協約も速やかに推進する方針だ。
不動産プロジェクトファイナンス(PF)への対応力を高めるため、セマウル金庫を含めた全相互金融圏のPF実行先事業所の現況資料を1カ月周期で要請する計画だ。事業不振で不良債権化が懸念される際、関連情報を迅速に共有するなど、協力体系も強化することにした。
相互金融圏内の規制格差を改善する案も議論された。セマウル金庫は、他の相互金融圏が既に施行している業種別与信限度規制導入のため、関連法令及び規定改正を推進している。
個人事業主及び法人を対象とした融資のうち、不動産業・建設業についてそれぞれ総融資残高の30%以下、両者の合計額を総融資残高の50%以下に制限する内容が骨子だ。流動性比率を100%以上で維持する規制も速やかに導入する。
組合の内部統制の脆弱性を分析し、これを補完する方案も議論された。主な事項としては、△業務及び管理体系の改善△金融事故予防認識の向上や健全な組織文化定着の誘導△脆弱組合に対する対応体系の構築――など、中央会の役割の強化などが含まれた。
継続的に提起された職場内のいじめ問題を解決するため、雇用労働部で特別・企画監督を実施した。今後も現場の不合理が根絶されるまで集中労働監督を継続する予定だ。
金融委員会の関係者は「今後、相互金融圏の力量を強化できるように、健全性、ガバナンス及び内部統制改善に必要な課題を引き続き発掘して整備していく」とし、「具体的な改善方案について、関係省庁及び相互金融圏の意見を4月まで聴取し、以後の改善方案を踏まえて関係法令などの改正手続きを進める」と述べた。
チョン・テヒョン記者