韓国政府、家計向け融資の規制を緩和…

韓国政府が家計向け融資の規制正常化に取り掛かった。住宅担保認定比率(LTV)を緩和し、信用融資限度を年収の範囲内としてきた制限が廃止される。家計債務の健全性を担保する安全装置としての総負債原理金償還比率(DSR)の規制は枠組みを維持するが、青年層の将来所得認定比率を拡大することにした。

若者向け、住宅50年ローン導入

政府の金融委員会は16日、「新政権の家計向け融資の管理方向及び段階的規制正常化の方案」と題した資料を公開し、以下のような内容を明らかにした。

まず、初めて住宅を購入する場合、LTV規制は従来の60~70%から80%に緩和される。貸出限度も既存の4億ウォンから6億ウォンに拡大する。住宅1物件保有者や多住宅保有者に対するLTVも、家計債務及び不動産市場の状況によって緩和していく計画だ。

仮にLTVが80%に拡大すれば、ソウルの5億ウォンのアパートを購入する時、これまで3億ウォンだった貸出限度が4億ウォンに増えることになる。

金融当局は過度な家計債務の拡大防止も並行して措置する方針だ。7月からは、借り手単位DSRの第3段階が予定通り施行される。

「借り手単位DSR」とは、借り手の年収所得に年間元利金返済額が占める割合を示す。今年の初めから施行された借り手単位DSRの第2段階規制により、総融資額が2億ウォンを超える借り手は、年間元利金の償還額が年収の40%(銀行券基準)を超えると、追加融資を受けることができない。

7月からは、総融資額が1億ウォンを超えてもDSR40%の規制を受けることになる。金融当局によると、全借り手の29.8%、全体の融資の77.2%が規制対象になると見積もられている。借り手の3人のうち1人がDSR規制に縛られるわけだ。

青年層の「将来所得」強化

DSRを算定する際、青年層の場合には、融資が制約されないように将来の所得を反映することにした。

将来所得は、貸出時と満期時点の間の平均を通じて算出するが、これを貸出時と満期時点までの各年齢層別所得の平均で算定することにした。また、将来所得に基づく融資で、借り手が有利な満期を選択できるように改善する予定だ。

実需要者が過度な制約を受けないように、生計資金関連の融資規制も補完する計画だ。

信用融資限度を年収範囲内に制限したものを廃止して、借り手単位のDSRで一元化して過度な融資を管理することにした。

DSR算定範囲から排除される緊急生計用途の住宅ローン限度を1億ウォンから1億5000万ウォンに拡大するなど、「生計資金」については金融圏と協議して追加緩和を検討する方針である。

金融当局は今年8月から、青年層と新婚夫婦を対象に最大50年の住宅ローンを導入する。

ローンの初期には返済する元金が少なく、利子比重が大きいが、時間が経つにつれて徐々に返済する元金規模が大きくなる逓増式償還方式の導入も拡大することにした。

金融委員会は「金利上昇期、借り手の負担と金融会社のリスクが大きくなる恐れがあるため、家計債務の安定化努力がさらに重要である」とし、「家計向け融資の健全性のため、過度な規制を漸進的に正常化していく」と述べた。

アン・ソユン記者