韓国の貯蓄銀行、不況を受け「非業務資産」売却

これまで先送りされていた貯蓄銀行の非業務用資産の売却が進捗している。例外条項を盾に監督規定を巧みにすり抜けていた貯蓄銀行も、過去最大の不況の前で白旗を掲げた。

処分条項なく行政指導のみ

金融監督院の金融統計情報システムによると、今年の第1四半期の貯蓄銀行79社の非業務用資産の総額は1265億ウォンだ。

非業務用資産は△2021年第1四半期=1729億ウォン△2022年第1四半期=1447億ウォンと、2020〜2021年の1年間に小幅に増大した後は、2年連続で減少傾向がみられる。

非業務用資産を売却して収益性及び流動性を改善するためだと解釈される。最近、高金利の余波による預貸マージンの減少、不良債権化リスクが増加するなど、貯蓄銀行の業況は急速に悪化した。特に今年の第1四半期には純損失が500億ウォン台に記録するなど、赤字に陥った。

ここ1年間、関連資産が最も減ったのは、第1四半期基準ではウリィ貯蓄銀行で、89億ウォン減少した。続いて△平沢貯蓄銀行33億ウォン△安国貯蓄銀行27億ウォン△アキュオン貯蓄銀行15億ウォン△ 晋州貯蓄銀行 13億ウォンとなっている。

同期間、上記5カ所のうち2カ所が赤字転換し、残りの3カ所も純利益が半減した。不動産市場も悪化し、非業務用資産の価格が急落したにもかかわらず、収益保全のために売却を断行したもようだ。

不況の直撃を受けるまでは、非業務用資産の売却は後回しにされていた。具体的な処分条項がなかったため、これを遵守しない業者が大多数だった。

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現行の相互貯蓄銀行法では、貯蓄銀行の非業務用不動産の保有は禁止されている。不動産投機など、金融機関の固有の業務ではないところに資源が浪費される恐れがあるためだ。

しかし、例外条項で法令の趣旨が弱体化した。借主が貸付金を返せず、貯蓄銀行が担保物として取得した場合には、非業務用不動産の所有が許される。

他の業圏と違って、貯蓄銀行は例外に対する追加処分条項が用意されていない。銀行圏の場合、当該資産を3年以内に処分しなければならないなど、売却手続きや方法などに関する規定が明記されている。

金融監督院も円滑な資金仲介のために非業務用資産を売却するのが望ましいとしてきたが、関連規定がないため行政指導にとどまらざるを得なかった。

ある貯蓄銀行の関係者は「最近、不動産価格が下がったにもかかわらず売却に動いているのは、悪化した収益性を改善するための動きとみられる」とし、「また、対内外的に困難な時期であることを考慮して、当局の勧告事項を履行する企業が増えた影響もあるだろう」と述べた。

一方、国会政務委員会に所属する国民の力のチェ・スンジェ議員など10人は、非業務用資産を金融委員会が定める期間内に処分するか、韓国資産管理公社に売却を依頼するべきだという相互貯蓄銀行業法の改正案を発議している。

チョン・テヒョン記者