韓国の証券会社、高額資産家の誘致に集中
韓国の証券会社各社は新成長エンジンとして、資産管理(WM)強化に焦点を当てたの高額資産家の誘致に熱を入れている。
「1億ウォン以上」の顧客、1年で24万人増
韓国の上場した証券会社3社(未来アセット、サムスン、NH投資)の、1億ウォン以上の預託額を保有する高額資産家の顧客は今年第3四半期末で計74万9000人、前年同期の50万8000人に比べ47.4%増加した。
まず、未来アセット証券の高額資産家の顧客は昨年第3四半期末21万6000人から今年第3四半期末31万6000人へ46.3%増えた。同期間、サムスン証券は15万5000人から22万6000人へと、NH投資証券は13万7000人から20万7000人へと、それぞれ45.8%と51.1%が増えた。
このような高額資産家の顧客増加はWM部門に力を入れた結果と見られる。証券会社は最近、未来の新成長エンジンの構築のため、WMを主要事業に選定し、我先に関連サービスを発売している。
未来アセット証券は100億ウォン以上の超高額資産家のための「ファミリーオフィス・コンサルティング」、10億ウォン以上の資産家対象の「未来アセット・セージクラブ」などを運営している。
ファミリーオフィスでは、税理士、弁護士、不動産専門家、投資、引退保険の専門家など20人余りの専門家が投資相談だけでなく、相続設計、不動産、法律諮問などのソリューションを提供している。
また、セージクラブではグローバル投資銀行(IB)ネットワークを活用し、適合型グローバル資産管理ソリューション、家業相続や贈与計画などを提供するのが特徴だ。
12月中には統合資産管理アプリケーション「エムオール(m.ALL)」もオープンする。マイデータ・サービスを基盤にビッグデータ分析、人工知能(AI)技術を活用した投資診断コンテンツなどを提供する予定だ。
サムスン証券は昨年7月、国内証券会社では初めて、100億ウォン以上の資産家のための投資パートナー級の「マルチファミリーオフィス」サービスを提供した。顧客の資金を集めて投資するクラブディール(Club Deal)と、サムスン証券の自己資本投資に共同で参加する機会などを提供するのが特徴だ。
昨年導入した「マイタックスマネージャー(My Tax Manager)」プログラムでは、資産家に専従の税理士を指定し、支店や担当PB(Private Banker)が変わっても継続性のある相談を受けられるようにした。
今年初めには、増え続ける非対面顧客のために、オンライン取引金額と取引件数の多い顧客を対象にデジタルPBが投資相談を行っている。その他にもモバイル動画の投資教育サイト「投資スクール」をオープンし、さまざまな講義を提供している。
ある証券会社の関係者は「WM部門は全金融業界を通して代表的な新成長動力に分類される」としながら、「デジタル技術を活用すれば、より多くの顧客層がWMサービスを享受できるだけに、安定的な収益創出が可能になるだろう」と述べた。
ユ・スジョン記者