ウリィ金融、非銀行事業の多角化に努力

長年の念願だった「完全民営化」を成し遂げたウリィ金融持株の前に、「非銀行事業の多角化」がリーディング金融持株としての能力を立証できる最大の課題として浮上した。

持続可能な成長のためには、ほかの金融持株より一段高い銀行収益への依存度を下げ、競争力のある系列会社の確保を通じて新たな収益創出を引き出すべきだという意味だ。

非銀行系の純益寄与度は17.4%

ウリィ金融持株の今年第3四半期の当期純利益のうち、非銀行系列会社純利益の寄与度は17.4%に過ぎない。KB金融(44.5%)、新韓金融(43.2%)、ハナ金融(36%)などと比較すると、半分足らずの数値だ。

ウリィ金融持株は4大金融持株(新韓、ウリィ、ハナ、KB国民)の中で唯一、証券会社と保険会社を子会社に置いていない。

こうした非銀行のポートフォリオがウリィ金融持ち株の「アキレス腱」になったのは、預金保険公社が2014年に公的資金を回収した際、ウリィ投資証券(現NH投資証券)とウリアビバ生命(現DGB生命)を売却したためだ。

完全民営化で政府の影響力から自由になったウリィ金融持株がリーディング金融に仲間入りするためには、買収合併(M&A)を通じた非銀行部門の規模拡大が最も効果的な方法として取り上げられている。

既存の系列会社の資本余力を拡大して他の金融持株会社の収益に追いつくには、限界があるからだ。これまでKB金融や新韓金融、ハナ金融はそれぞれ、プルデンシャル生命やオレンジライフ、ザケイ損害保険など、大型優良物件を買収合併し、総合金融持株としての立場を強固なものにした。

ウリィ金融は今年10月、第3四半期の業績発表カンファレンスで、「子会社とシナジー効果が大きい証券会社の買収を最優先に考慮している」と明らかにした。

現在、業界でウリィ金融が狙える証券会社としては、ユアンタ証券やSK証券、イベスト証券などの名が挙がっている。また、保険会社の候補としては東洋生命やABL生命、アクサ損害保険などの外資系企業がある。

買収は容易ではない

ただ、最近の株式市場の活況を受け、証券会社の買収額は高騰している。保険会社も系列会社とのシナジー効果が期待できるような大型物件は見当たらず、ウリィ金融が短期間で証券会社や保険会社の買収を実現するのは容易でない。

これに対してウリィ金融持株は当面、非銀行系列会社を確保するまで他の金融会社と同盟する迂回戦略を選んだ。

ウリィ銀行は12日、生命保険・投資証券・資産運用のハンファ金融系列3社と「デジタル事業推進のための業務協約」を結んだ。両社がデジタル新事業をともに推進し、多者間サービス活性化に向けたマーケティングや証券提携サービス、共同商品の開発に協力することにした。

この他にも、ウリィ銀行は△ハンファ投資証券、パインツリー証券(ベトナム)などハンファ金融系列会社とグローバル協力△ハンファ生命、ハンファ資産運用と新規商品·サービス開発および共同マーケティング推進△国内外のデジタル、情報技術(IT)有望企業に対する共同投資――などの事業も拡大する予定だ。

直接設立の可能性

金融界の一部では、ウリィ金融持株が証券会社や保険会社の買収計画が長期間に渡って遅れる場合、直接設立もあり得ると見ている。

保険業法上、全ての保険種目を取り扱う保険会社の設立のためには300億ウォンの資本金が必要だが、最近はデジタル専用の小口短期専門保険会社の設立資本要件が20億ウォンへと緩和された。

これについてウリィ金融の関係者は「非銀行部門のポートフォリオ拡充のためM&Aはもちろん、多様な方式の可能性を念頭に置いて検討中だ」と述べた。

アン・ソユン記者