「お金にならない」…地方から撤退する韓国都市銀行

韓国で、地方の銀行支店数が急速に減っている。非対面サービスの活性化とともに、預金や積金、ファンドなどの加入が少ない一方、延滞率の高い中小企業や小規模事業者向けの融資需要だけが多い営業環境の特性上、収益性が低いという判断から、銀行が少しずつ後退しているのだ。

地方の数少ない支店を閉鎖するのは、地域顧客のアクセスと便宜を考慮しない利己的な戦略だという指摘が出ている。しかし、銀行は首都圏の主要営業店さえ収益率の問題で閉店している状況で、地方営業店の維持は「身を削る」行為にほかならないと抗弁する。

3年間で359店が閉鎖

金融監督院の金融統計情報システムによると、今年6月末現在で、首都圏(ソウル市、京畿道)以外の地域にある支店数は5373店で、2018年6月末(5732店)からの3年間で359店が消えた。

慶尚道(キョンサンド)地域で最も多い49店舗(513店舗→464店舗)が閉店し、割合で見ると釜山地域の支店が11%(464店舗→413店舗)で閉店率が最も高かった。

地方にある支店数の減少は、モバイルバンキングなどの非対面取引の拡大とともに、収益性の根幹である地域景気の悪化が主な要因として挙げられる。

このような銀行の動きに対する視線は厳しい。支店が減るほど、地域内の資金仲介機能が損なわれ、景気低迷の長期化をあおるだけでなく、デジタル疎外階層の多い地域顧客の金融サービスへのアクセスや利便性が悪化しかねないという懸念のためだ。

最近、KB国民銀行が1940年代から設置されている「木浦(モッポ)支店」を来年1月21日付で閉鎖することを決めた。これを受け、現地の自治体はKB国民銀行に対して「存続要求建議文」を送るなど直接抗議に乗り出した。

木浦市は建議文を通じて、「木浦支店が閉鎖されれば、これを愛用していた小規模事業者と住民の不便が非常に大きい」としながら、「都心から遠いところにいる小規模事業者、デジタル金融に慣れていない金融脆弱(ぜいじゃく)階層などの便宜のために支店閉鎖の再検討を要請する」と強調した。

しかし、KB国民銀行の撤退計画に変動はなく、地域の顧客のための対策を多方面で検討すると説明しただけだ。

「ためらうことはできない」

各銀行は、構造的な低迷が続いている地方市場で支店を減らしていくのは、収益性改善のために不可欠な措置だと説明している。

非対面サービスの商用化による運営コストの削減が業界の最大課題として浮上し、高額資産家が多く、ホットプレイスといわれているソウル江南(カンナム)圏からですら撤退しているのに、預貸率を削るだけの地方支店の維持は、膨大な損害につながっているという。

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今年6月末現在、銀行の首都圏支店は計2861店舗で、2018年6月末(3027店舗)に比べ166店舗減少した。

特に、KB国民銀行は昨年、江南地域にある松坡区の蚕室エルス店、芳夷洞店、瑞草(ソチョ)区の韓国ヤクルト店を閉鎖した。さらに、新韓銀行はPWM江南大路センター店とテヘラン路企業金融センター店を、ハナ銀行は駅三駅店を含めて江南外為センター店、大峙駅店、彦州路店、瑞草区の盤浦ザイ店の5カ所の江南圏支店を廃止した。

都市銀行のある関係者は「銀行の支店ネットワークは訪問客の減少などでチャンネルとしての役割が変わっている。地方も例外ではない」としながら、「デジタル時代が急速に進む中、一部の金融疎外問題に縛られて改善と変化をためらうことはできない」と述べた。

また、「ただ、地域社会の経済活動では銀行の役割の重要性が必ず前提となるだけに、地域内の資金仲介機能が退化しないよう窓口レベルのサービスを提供するスマートテラーマシン(STM)の普及拡大など、多様な対策作りに努める」と付け加えた。

アン・ソユン記者