韓国証券業界、ESG経営はまだ遠い…関連委員会すらなく
韓国の中小証券会社のESG(環境・社会・ガバナンス)経営の取り組みが停滞している。理事会(取締役会)内にESG委員会を設立した例もないほどだ。
上場証券会社21社のうち、ESG格付け機関である「韓国コーポレートガバナンス院(KCGS)」と「サースティー・ベスト」ともにA等級以上を受けたのは4社だ。このうち中小証券会社は現代車証券が唯一だ。残りの3社は、大手証券会社に分類されるNH投資証券やサムスン証券、大信(テシン)証券だ。
一方、両機関でB等級未満を受けた5社(富国証券、サンサンイン証券、ユファ証券、コリアアセット投資証券、漢陽証券)の場合、すべて中小だ。また、他の中小会社であるユジン投資証券とユアンタ証券、シンヨン証券の3社は、一つの機関でのみB未満の等級を受けた。
金融業界では、中小型証券会社がより競争力をつけるため、長期的な観点から企業価値や持続可能性に影響を与えるESG経営を積極的に導入すべきだと見ている。
すでに、グローバル投資市場では企業を評価するにあたって、財務的価値ではなく非財務的価値を重要視している。韓国でもエコ、社会的責任活動などが企業価値を評価する主要指標として位置づけられている。
韓国政府は2019年から、資産規模に応じたコーポレートガバナンスに焦点を合わせた「コーポレートガバナンス報告書」の公開を段階的に義務付けた。2026年からはKOSPIの上場会社すべてが公示するようにした。
さらに、2025年からは資産総額2兆ウォン以上、有価証券市場に上場した企業のESG公示の義務化に踏み切り、2030年にKOSPIの上場企業すべてに拡大する。これに先立ち、今月20日には金融委員会と韓国取引所が「ESG情報プラットフォーム」をオープンし、投資に活用できるようにした。
しかし現在、中小上場証券会社のうち、理事会内にESG委員会を設立した例は1社もない。昨年、証券会社では初めてESG委員会を立ち上げたKB証券を皮切りに、未来アセット証券やNH投資証券、韓国投資証券、サムスン証券、大信証券、ハンファ投資証券など、大手だけがESG委員会を運営している。
ESG実務協議会やESG推進チームなどの実務部署の構築や内部教育などの事例も、中小型上場証券会社ではなかなか見られない。
自主的に持続可能な経営報告書を発行する会社も、未来アセット証券やNH投資証券、サムスン証券、ハンファ投資証券など、大手に限られている。KB証券は上場企業でないため公示義務はないが、今年8月に以前から発行してきた「CSR中心の持続可能経営報告書」をESG経営体系中心に拡大改編した。
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SK証券のク・ギョンヒ研究員は「海外一部のESG格付け会社は金融業種を評価する際、社会(Social)部門に60%の加重値を与える場合もある」としながら、「環境(Environment)保護以外にも金融接近性、データ保護、金融消費者保護、人権など社会活動を積極的に推進することがESG経営で重要だ」と述べた。
ユ・スジョン記者