韓国貯蓄銀行で不動産融資が急増…不良債権化に懸念

韓国の貯蓄銀行で不動産関連融資が急増している。金融当局の規制限度を超えた貯蓄銀行まで現れ、不動産景気が悪化した際の反動が大きくなるとの懸念が出ている。

韓国銀行(中央銀行)は昨年末の「金融安定報告書」で、貯蓄銀行など第2金融圏で不動産PF(Project Financing)のような高リスク融資が急速に増加していると言及した。第2金融圏は都市銀行より資本力が足りず、注意が必要だとの指摘だ。

総融資残高の50%超も

現在、相互貯蓄銀行業法の監督規定では、貯蓄銀行は不動産業や建設業、不動産PF融資の総計が、全融資資産の50%を超えてはならないと定められている。これは、与信が危険資産に偏るのを防ぐためだ。

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問題は昨年、韓国政府が家計向け融資の規制を強化する過程で、貯蓄銀行が企業向け融資に目を向け、その中でも不動産関連業種への融資を大幅に増やしたことにより生じた。

金融監督院によると、昨年第3四半期の貯蓄銀行の不動産・建設業向け融資の残高は24兆2326億ウォンで、2020年末(19兆8996億ウォン)と比べて21.7%も増加した。これにPF融資まで加えれば、規模はさらに膨らむ。

その結果、不動産融資が金融当局の規制水準に迫る例が続出している。昨年第3四半期、貯蓄銀行79社のうち、融資全体に不動産関連融資が占める割合が45%以上になったのは9社だった。基準を40%以上にすると、該当する貯蓄銀行は26社まで増える。

特にバロ貯蓄銀行は、昨年第3四半期の不動産関連融資は規制水準を上回った。同行のPF、建設業、不動産および賃貸業への融資の合計は6057億ウォンで、融資残高総計(1兆1149億ウォン)の54.34%を占めている。

中小型に偏重

さらに、不動産への融資に偏っている貯蓄銀行の大半は、中小型貯蓄銀行であることが確認された。融資額が40%以上の26社のうち、バロ、BNK、IBK、プルン、ハンファの各貯蓄銀行を除く21行は資産が1兆ウォン未満だ。

資産の少ない中小型貯蓄銀行の不動産関連融資は、不動産景気の影響を受けざるを得ない。金融機関が統制できない外部要因によって、不良債権化が起きる可能性があるということだ。そのうえ、大統領選挙の候補たちが住宅価格の抑制政策を打ち出しているため、不確実性はさらに高まる。

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韓国銀行の関係者は「最近になって相対的に危険性が高い不動産開発業に関する融資が急増し、企業向け融資が不良債権化する危険が大きくなっていると判断される」としながら、「貯蓄銀行は都市銀行と比べて資本余力が落ちる。不良債権化とこれによる衝撃が他の機関より相対的に大きい可能性がある」と述べた。

パク・ジンヒョク記者