韓国の貯蓄銀行に先行き不安…個人事業主に融資規制

個人事業主への融資に注力してきた貯蓄銀行の歩みに、制動がかかる見込みだ。来月から総負債元利金償還比率(DSR)の規制が強化されるにつれ、自営業者の融資環境が悪化するからだ。

来月、DSRの第3段階施行

来月から借主別DSR規制の第3段階が施行され、債務総額が1億ウォンを超える借主についてもDSR規制が適用される。

DSRは年間の元利金返済額を年収で割った割合だ。金融当局は一定金額以上の融資を受けた借主たち対し、金融会社の規模などによって決められたDSR比率を越えて融資が行われないように規制している。現在、貯蓄銀行のDSR規制比率は50%だ。

従来のDSR第2段階では、債務総額2億ウォンを超える借主に対してのみ適用された。規制対象が1億ウォン以上の借主に拡大することで、金融会社は融資に消極的になると見られる。

多くが第3段階規制の対象となる個人事業主への融資を増やしてきた貯蓄銀行業界は、戦々恐々としている。昨年、家計向け融資の規制が強化されるにつれ、新型コロナの影響で融資の需要が急増した個人事業者をターゲットに、融資を拡大したからだ。

昨年末、貯蓄銀行大手10社の個人事業者への融資残高は12兆6300億ウォンで、前年同期比61%(4兆7800億ウォン)増加した。

DSRの第3段階が施行される来月からは、追加融資を実施することがさらに難しくなる。

信用情報機関のナイス評価情報によると、昨年第4四半期に個人事業主向け融資を受けた借主は279万人余りだ。このうち78%が家計向け融資を受けており、1人当たりの平均債務残高は1億5000万ウォンと集計された。これはDSRの第3段階基準の1億ウォンをかなり上回る数値だ。

ここに金利引き上げが重なり、ローン金利が急上昇する点と、新型コロナウイルスの対策の金融支援プログラムで猶予されてきた元利金を下半期から一緒に返済しなければならないことを考慮すると、彼らの融資需要はさらに早く減る見込みだ。

低所得の自営業者を中心に、債務者の負担が急激に増加するにつれ、非銀行系金融機関のリスクが増幅する問題も提起される。

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韓国銀行(中央銀行)の安定分析チームの関係者は「個人事業主への融資増加が続くと長期的に金融不均衡を深め、再生が難しくなった業者のリストラを遅延させるなど、不良債権の潜在化を促す恐れがある」とし、「特に脆弱な借主比重の高い非銀行系の金融機関を中心に、信用リスクが大きくなる可能性がある」と述べた。

続けて「個人事業主に対する融資審査を強化する一方、貸倒引当金を先制的に追加積み立てるなどの方案を講じなければならない」と付け加えた。

チョン・テヒョン記者