韓国の債券型ファンド、1カ月で1兆8千億ウォン流出
韓国で、金利の上昇を受けて債権価格の下落に対する憂慮が高まり、債券型ファンドから巨額の資金が流出している。
金融情報会社エフアンドガイドの集計によると、今月5日までの1カ月間で、韓国の国内外の公募債権型ファンドから、計1兆7876億ウォンが流出した。同じ期間、国内外株式型ファンドに1兆6242億ウォンが流入したのと対照的だ。
金利上昇、持続の見通し
商品別にみると、IBK短期債証券子投資信託が2147億ウォン売り越され、減少規模が最も大きかった。さらに、ユジンチャンピオン短期債証券子投資信託が1823億ウォン、ウリ短期債券証券投資信託が1696億ウォン売り越された。
証券子投資信託とはベビーファンドを意味し、資金の100%をマザーファンドに投資して運用する金融商品だ。
債権型ファンドからの資金離脱は、債券価格の下落を懸念した投資家がポジションの解消に乗り出した結果と見られる。金利上昇と債券価格の下落が、しばらく反転しないと見て売却に動いたのだ。
多くの金融投資業界筋は、金融通貨委員会が今月26日に開かれる会議で基準金利を引き上げるものと見ている。
ウリ金融経営研究所は今月4日に発表した「8月金融市場ブリーフ」で、金融通貨委員会が基準金利を現行の0.50%から0.75%に0.25%引き上げるとの見通しを示した。新型コロナウイルスの再拡散によって基準金利の引き上げ時期が遅れるとしても、今年10~11月には引き上げる可能性が高いとの判断だ。
今年に入って急伸傾向を見せている国債利回りは、景気回復と基準金利の引き上げ期待が織り込まれることで、上昇傾向を維持するものと分析されている。
3年物国債の利回りは昨年末まで0%台にとどまっていたが、今年1月から1%台を維持している。ウリ金融研究所は先月末、1.42%だった3年物国庫利回りが今月末に1.48%まで上昇した後、9月末には1.50%まで上昇するものと予想した。
アメリカの雇用指標が予想を上回って改善していることで、金利引き上げの前段階である資産購入の規模縮小(テーパリング)時期も目前に迫っている。今月8日に発表された7月のアメリカの非農業部門の新規雇用は94万3000人で、11カ月ぶりに最高値を記録した。市場の予想値である84万5000人を大きく上回った数値だ。そして失業率は5.4%と、新型コロナウイルス以降、最も低い水準である。
ある資産運用会社の関係者は「アメリカの8月の雇用指標が7月と同様の流れを見せる場合、テーパリングの実施時期は当初の予想通りに今年下半期に前倒しされる可能性が高いと見ている」とし、「今回の金融通貨委員会で基準金利の引き上げが有力視され、債券市場の不安はさらに拡散している。すでに天井を打ったとの懸念にもかかわらず、株式型ファンドに資金が集まっているのと対照的だ」と述べた。
チャン・ハウン記者