韓国証券会社、競ってベトナム市場を攻略

韓国の証券会社が、新たな収益源を求めて忙しく動いている。国内証券市場の不振による実績の下落を受け、ベトナムなど海外市場で新たな成長動力を確保する戦略だ。

オンライン・キャッシュレス化も推進

最近、国内の証券会社は高い成長潜在力を有するベトナム市場で競って事業を拡大している。

未来アセット証券はパク・ヒョンジュ会長が陣頭指揮し、ベトナム法人でオンライン口座開設、非対面マーケティングなど迅速なデジタル転換で市場占有率上位を維持している。

2017年に現地証券会社であるメリタイム証券の持分99.4%を買収し、現地法人(KBSV)としたKB証券は、現地の営業力強化のためKBSVに、今年第1四半期末基準で883億ウォン相当の支給保証を提供した状態だ。

NH投資証券は2018年に100%持分買収を通じてベトナム法人(NHSV)を発足させた。その後、今年6月にハノイ支店を開設し、本格的な現地営業に入った。昨年はベトナム最大のインターネット銀行であるティモ(Timo)と協業で、「モバイルベースの非対面口座サービス」を開始した。

韓国投資証券は今年6月、チョン・イルムン社長が直接ベトナムを訪問し、現地の資産運用会社「ドラゴンキャピタル資産運用」と上場投資信託(ETF)関連の業務協定を結び、オープンファンド、ETF、投資信託などの金融投資商品の販売に乗り出した。

関連記事:ベトナムが韓国系生保の激戦地に

韓国国内の証券会社が狙うベトナム市場は、人口が多く、潜在力が豊富で「機会の地」と呼ばれる。ベトナム証券市場のVN指数も上昇が続いており、昨年、史上初めて1500を突破した。

ベトナム政府がキャッシュレス社会への転換を進めている点も、証券会社が推進している海外進出とデジタル市場の拡張という「二兎を追って二兎を得る」機会に合致すると考えられる。現地で2030世代のデジタルモバイル取引も急増する傾向にあるため、ベトナム市場は証券会社のデジタル金融市場での潜在力を高く評価されている。

ある証券会社の関係者は「証券会社の海外進出は『証券会社の輸出は難しい』という国内証券業の限界を試す意味を持つ」とし、「新型コロナ以降、急速に増加した国内投資家たちに先進的な金融サービスを提供した証券会社は、ベトナムなど海外金融市場の発展に大きな貢献ができるだろう」と述べた。

パク・ヒュソン記者