韓国、金利引き上げで「信託型資産管理口座」に注目集まる
韓国で、低金利期には低い収益率のために不人気だった「信託型ISA(個人総合資産管理口座)」が、金利の本格的な引き上げ期を迎え改めて注目を集めている。
金融投資協会によると、銀行圏では7月31日現在、信託型ISAへの投資金額は9兆1710億ウォンで、前年同期(5兆7614億ウォン)より60%(3兆4096億ウォン)近く増えた。同期間、加入者数も72万4951人から81万5850人へと12.5%(9万899人)増加した。
「非課税+分離課税」特典
ISAは2016年3月に導入された金融商品で、一つの口座に預金・ファンド・株価連動証券などをまとめ、利子・配当所得に対して最大400万ウォンまで非課税特典を、400万ウォン超過分には9.9%の分離課税特典が与えられる。毎年2000万ウォンずつ、5年間最大1億ウォンを預け入れることができ、3年の義務加入期間がある。
ISAは信託型と一任型、仲介型など3つの類型に分けられるが、このうち銀行で加入できるのは信託型と一任型だ。信託型は個人の判断と指示に従って運用され、一任型は財務設計士(FP)などの専門家の判断に任せる方式である。
安定的な投資傾向の銀行顧客は、ISAの中でも預金中心運用の信託型を好むが、商品発売以来ずっと続いた低金利期には、基準金利が0%台まで落ちると「ネズミの尻尾ほどの収益率」と嘲笑され、加入が低調だった。
しかし、今年に入ってからの急激な基準金利引き上げにより、関心を見せる人が増えている。
銀行連合会のISA専用預金金利公示を見ると、該当商品を扱う13の銀行の今月基準の12カ月満期基準の年間金利は平均3.05%だ。昨年3月の平均1.6%に比べて、6か月で1.45%増えた。
12カ月満期の一般預金金利平均は3.32%であり、ISA専用預金金利平均より0.27%ポイント高かったが、各種特典の条件を満たせばISA預金を選択するのが有利かもしれない。
これに対し、銀行圏の信託型ISA編入資産のうち、預金の割合も2020年7月末の88.6%から2021年7月末の90.5%、7月末の93.6%に増加する傾向にある。
市中銀行の関係者は「ISAは年金商品として安定的な収益を創出しようとする顧客が選択する傾向がある」とし、「特に最近は株式市場の変動性が大きく、基準金利が急騰しており、安定的で期待収益率が高くなった預金中心の信託型に注目する顧客が増えている」と述べた。
アン・ソユン記者