基準金利は上がったが…韓国の貯蓄銀行、預金金利を引下げ
韓国銀行(中央銀行)が基準金利を引き上げたにも関わらず、貯蓄銀行の預金金利は下がる見通しだ。金融当局の第2金融圏への融資規制に、預貸率管理の必要性が浮き彫りになっているからである。
金融監督院によると、貯蓄銀行の預金金利の上昇の勢いが下火になっている。都市銀行が韓国銀行の基準金利引き上げに合わせて預貯金金利を引き上げているのとは対照的な動きだ。
融資規制で逆ザヤ懸念
先月26日、韓国銀行は基準金利を0.5%から0.75%へと0.25%引き上げた。これを受け、ケイバンクは先月28日、定期預金の商品金利を全て0.2%ずつ引き上げた。新韓銀行、ウリィ銀行、NH農協銀行も預貯金の金利を引き上げた。
関連記事:「ピットゥ」急増…韓国証券会社、信用取引の利上げ検討
一方、中金利融資の拡大に向け、高金利の受信競争を繰り広げてきた貯蓄銀行は、少しずつ金利を引き下げている。OK貯蓄銀行は今月から随時入出金式の預金商品(パーキング通帳)の基本金利を引き下げた。これまで30億ウォン以下で1.80%の金利が適用されていた商品は、5億ウォン以下で1.50%まで引き下げられた。
セラム貯蓄銀行は、回転式定期預金の金利を従来の2.52%から2.10%へと引き下げた。スター貯蓄銀行も定期預金の金利を2.10%へ0.41%下げた。ほかにもウリ金融、イェガラム貯蓄銀行なども受信金利を引き下げた。
預貸率管理に乗り出す
貯蓄銀行が受信金利を下げ始めたのは、韓国当局の規制により下半期の融資営業が不確実になったからだ。すでに受信を確保している貯蓄銀行が預貸率管理に乗り出しているものと分析される。預貸率は預金と比べた貸し出しの割合で、韓国の貯蓄銀行の場合、100%に合わせなければならない。
先月、金融当局は家計貸付の増加傾向を管理するため、貯蓄銀行のモニタリングを大幅に強化した。従来は四半期や1カ月単位で実施されていた家計貸付の点検周期を1週間に縮小し、増加の勢いが止まらない場合、都市銀行並みの規制を打ち出すと金融当局が脅しまでかけた。
先月25日には貯蓄銀行中央会を通じて、信用貸付限度を借主の年間所得水準に制限するようにと指針を伝えた。今年上半期、貯蓄銀行の家計貸付の増加率は8~9%の水準で、金融当局の目標値(5~6%)を上回った。これを受け、金融当局は特別管理に乗り出した形だ。
余力2000億ウォン
韓国銀行によると、今年上半期の貯蓄銀行の与信残高は87兆9289億ウォン、受信残高は87兆7231億ウォンを記録した。6月現在で、融資の拡大余力は2000億ウォンほどしか残っていないという意味だ。融資規制で下半期の与信拡大が制限的な状況で、受信金利の速度調節が続くと予測される。
ある貯蓄銀行の関係者は「貯蓄銀行業界は、大手貯蓄銀行の金利調節に残りの貯蓄銀行が追随する傾向がある」とし、「融資拡大が不確実なだけに、受信金利を高く維持する場合、逆ザヤの懸念もあり、次第に調整されるものとみられる」と述べた。
パク・ジンヒョク記者