韓国保険業界「隠れた保険金」確認サービスを強化
韓国の保険業界で、保険加入者が認知できず受け取れていない「隠れた保険金(未払い保険金)」を担当する管理組織を設ける動きが出ている。加入者は生存給付金・休眠保険金などを探すのが容易になりそうだ。
年間3兆8千億ウォンを「発掘」
韓国の損害保険協会はこのほど、上記の内容を含めた「標準金融消費者保護基準」の改正案を公告した。同協会は23日までに保険会社別の意見を集約しており、生命保険協会も行政上の手続きを準備している。
これは、金融当局が2017年から推進している「隠れた保険金探し」キャンペーンの一環として出てきたものだ。保険業界では、保険加入者に対し「私の保険探し」というサービスとして支援している。
「私の保険探し」は、保険加入者が認知していない中、生存給付金(配当金、生存・退職年金、事故分割保険金など)と満期、休眠、死亡保険金を照会・確認するサービスだ。
加入者が個人情報を入力し、本人認証及び情報利用同意を完了すれば、保有する保険契約の情報が確認できる。
2021年、保険加入者は約126万件、額にして3兆8351億ウォンの「隠れた保険金」を受け取った。2019年に2兆8508億ウォン、2020年には3兆3198億ウォンと増加傾向にある。
その過程で、加入者が保険金支払いを受けうえでネックとなる問題も浮き彫りになった。保険会社によってはオンライン請求システムが構築されておらず、保険金の支給に必要な書類も会社ごとに違っていることなどだ。
保険業界はこうした現状を受け、保険会社ごとに「隠れた保険金」を担当する組織を発足させる取り組みを始めた。当該組織では、顧客の金融財産が休眠・長期未請求状態に陥るのを予防し、すでにそうした状態にある件数を削減する業務を担当する。
保険業界の関係者は「協会にはこれまでも『隠れた保険金』を担当する部署があったが、保険会社では関連規定が明確化されていなかった」とし、「実際に保険金を探すのは保険各社であるため、会社別の管理方案を用意する」と述べた。
パク・ジンヒョク記者