韓国カード業界、「赤字」の災害支援金市場で競争激化
韓国のカード会社が、赤字だとされている政府の災害支援金サービスの準備に取り組んでいる。短期間の実績より、新規顧客の誘致と消費データの確保を優先するためだ。
市場シェア確保を優先
韓国政府は6日から、約11兆ウォンにのぼる「コロナ共生国民支援金」を支給する予定だ。同日、新韓・サムスン・KB国民・現代・ロッテ・ウリィ・ハナ・BC・NH農協カードを通じた国民支援金オンライン申請も始まる。
ただ、カード業界の災害支援金サービスは赤字だ。災害支援金の使途が零細加盟店中心であるため、手数料収益を期待するのが難しいからだ。
現在、クレジットカード加盟店の手数料率は年商◇3億ウォン以下の加盟店に0.8%◇3億ウォン超5億ウォン以下1.3%◇5億ウォン超10億ウォン以下1.4%◇10億ウォン超30億ウォン以下1.6%が適用される。「路地商圏(※1)」に近づく利益が減少するという意味だ。
【注※1路地商圏】住宅街などにある小規模マーケットや、その周辺の商圏
インフラ構築に多額費用
実際、昨年の緊急災害支援金の支給時には損失が発生した。
野党・国民の力の尹暢賢(ユン・チャンヒョン)議員室によると、昨年支給された緊急災害支援金に対するカード会社の手数料収益は973億7000万ウォンだった。一方、インフラ構築や決済網などに使われた災害支援金関連の営業費用は1053億9000万ウォンと、80億ウォン程度の赤字となった。
赤字の事業なのに、カード会社は災害支援金関連サービスの準備を強化している。受給者が給付申請を行う際、カード会社を選択しなければならない特性上、競争は避けられない。しかし、カード会社はいったん顧客を誘致すれば、消費データの確保や市場シェアの確保などの効果を収めることができる。
関連記事:【寄稿】最近の支払い決済市場の変化とカード会社の対応方向
カード会社はメールなどを通じて会員にサービスを案内している。また、プラットフォームの活性化に向け、アプリケーションを利用して支援金の使い道を地図の形で確認できるサービスなども用意している。
カード業界のある関係者は「カード会社は災害支援金を通じて利益を得ようとはしない」とし、「消費データと新規顧客確保、アプリ活性化など長期的な観点で接近しているものとみられる」と述べた。
パク・ジンヒョク記者