韓国の住宅年金、新規加入が過去最高

韓国で昨年、住宅年金(リバースモーゲージ)の新規加入件数が過去最高を記録した。住宅価額の値下がり傾向が続いている上に、住宅金融公社からの月間の支払が下方調整されるとの見通しが示されたことが、加入者数の大幅増につながったと考えられる。

住宅価格の下落で「駆け込み」

与党・国民の力のユン・チャンヒョン議員が住宅金融公社から提出を受けた資料によると、昨年の住宅年金の新規加入件数は1万4580件と集計された。前年と比べ34.9%増加したもので、2007年の住宅年金の導入以来、もっとも増加幅が大きかった。

住宅年金加入が増えたのは、政策金利の引き上げで住宅価格が下がり続けるという見通しが強くなったからだと分析されている。

韓国の住宅年金は、満55歳以上の住宅所有者が加入できるもので、家を担保として提供し、家に住みながら毎月年金方式で老後生活資金の支給を受ける。

住宅年金の支給額は、加入当時の住宅評価額によって決まるので、住宅価格の下落局面では少しでも早く加入申請することが支給額の面で有利だ。同じ年齢で同じ立地・品質の住宅を保有していても、加入年によって月の支給額に差が出るわけだ。

また、住宅金融公社の支給額が下方調整されると予想した人たちが、加入を急いだ影響もある。

住宅金融公社は関連法により、毎年、住宅価格の上昇率と利子率の推移、期待余命の変化などの指数をもとに月の支給金額を調整する。実際、住宅金融公社の主要変数再算定により、今年3月の新規申請者の支給額は前年比で平均1.8%減る。

一方、昨年の住宅年金解約件数は3430件で、過去最高を記録した2021年(5135件)と比べ33.2%減った。住宅年金解約件数は2017年の1731件から2018年の2256件、2019年の2287件に続き、2020年には3826件、2021年には5135件と急増していたが、その流れが変わった。

2020年から全国的に住宅価格が急騰し、家を担保に年金をもらうよりは、家を売って差益を享受した方がいいと判断した人たちの解約が続いていたが、その動きが一服したものと見える。

昨年の住宅年金の新規加入世帯の平均住宅価格は5億4900万ウォンだった。2017年(3億500万ウォン)と比べると、新規加入世帯の平均住宅価格は5年で80%上昇した。

地域別に見ると、昨年のソウルの新規加入世帯の平均住宅価格は7億8300万ウォンで、全国で最も高かった。続いて京畿道が5億8400万ウォン、仁川が4億6100万ウォンで、首都圏の平均は6億3800万ウォンを記録したが、地方は3億4200万ウォンにとどまった。

一方、累積加入者基準の住宅年金の平均月支給金は昨年が115万6000ウォンで、首都圏が131万9000ウォン、地方は80万7000ウォンだった。年金加入者の平均年齢は72.1歳だった。

アン・ソユン記者