韓国カード会社、資金調達でABS活用が急増

韓国のクレジットカード会社は昨年、資産担保証券(ABS)を活用した資金調達で、「息継ぎ」を行ったもようだ。

担保のカード債権に好評価

ABS(資産担保証券)は不動産、売上債権、有価証券、住宅抵当債権、その他の財産権など企業や銀行が保有する有・無形の資産をもとに発行された証券である。

政府の金融委員会が最近発表した「2022年ABS登録発行実績」によると、昨年、カード債券を担保にしたABS発行金は6兆5000億ウォンで、前年(4兆3000億ウォン)比で53%急増した。

昨年ABSの発行を増やした金融会社は与信専門金融会社だけだ。カード債券を基にしたABS発行が53%、分割払い・リース債権ABSが37%増加している。

一方、住宅金融公社(HF)が発行したABSの金額は36兆6000億ウォンから17兆2000億ウォンへと半減し、最も大きな減少幅(19兆4000億ウォン)を見せた。銀行は17%減少し、非金融企業(12%減)、証券(4%減)など全般的に発行量が減った。

発行者別にどのような資産を基礎に置くかによって、市場需要が変わった影響だと考えられる。住宅金融公社が発行したABSの場合、住宅抵当債権が主な基礎資産で、金利上昇と住宅景気の鈍化などによる政策モーゲージローンの減少で需要が大幅に減った。

他にも銀行(不良債権)、非金融企業(会社債、不動産プロジェクトファイナンス)など基礎資産に対する不安感が大きいほど需要が減少したと集計された。相対的に安定していると評価されたカード売上債を担保にしたABSは、市場で需要が急増した。

また、金利上昇によって社債などの発行が難しくなったカード会社が、ABSに頼った側面が強かったとも言える。

昨年のカード債などが含まれた与信専門金融会社債の純発行規模は11兆8000億ウォンで、前年同期(14兆4000億ウォン)比18%減少した。カード会社が発行したCPも半分に減った。

ソ・ジヨン韓国信用カード学会長は「ABSは担保があるために低金利で発行が可能で、比較的長期の資金調達も可能だ」とし、「発行する金融会社の立場からすれば、リスク保有規制以外にABS発行の短所は見当たらない」と述べた。

ABSリスク保有規制は、資産保有者がABS信用リスクを一部(5%水準)負担するように規制する制度だ。保有者にリスクを負担させてABSの劣化を防ぎ、品質を担保するのだ。当該規制で投資家の保有費用が増加して発行誘引が減ったとの見立てだ。

チョン・テヒョン記者