韓国のMMF残高、1週間で11兆ウォン急減
韓国で、短期金融商品(MMF)市場が大きく揺れている。法人資金が大挙流入し、過去最高を記録したMMF設定額は1週間で11兆ウォン以上も減少した。
長短金利差の逆転現象が刺激
金融投資協会の総合統計によると、随時入出金式商品であるMMF設定額は、14日の時点で197兆1460億ウォンだった。6日には208兆1666億ウォンだったことを踏まえると、7日間の取引で11兆206億ウォンほど減少した計算になる。
急減の主要因は法人マネーの流出だ。法人資金のMMF残高は6日、194兆5833億ウォンだったが、183兆5801億ウォンに急減した。個人MMF残高は174億ウォン減少して13兆5659億ウォンとなった。
個人MMFの資金流出は、昨年から続いてきた。昨年は高金利をうたう銀行の預・積金に移動したが、最近は株などのリスク資産に向かいそうな気配だ。
MMFは短期資金を回すため、残高の変動性が大きい商品だ。昨年10月のレゴランド事態以降の設定額を見ると、債券市場の萎縮により140兆ウォン台に減少したMMF残高は、その後は徐々に回復し、今年初めには151兆6091億ウォンを記録した。以降、法人資金を集めながら、MMF設定額は今月6日に過去最高を更新した。
業界は最近のMMF資金の減少について、過度に積み上がった分の調整過程だと見ている。今年に入りMMFに資金が集中した主な原因は、満期が短いほど金利が高くなる長短期金利差の逆転現象だが、それはなお続いているからだ。
債券「底値買い」に移るか
金融投資協会の関係者は「長短期の債券金利が逆転すると、法人は満期の長い債券を買うのが負担になるので、MMFに資金を入れておくことが多い」とし「金利差が正常化すれば、法人資金は短期債券など、他の投資先に落ち着くかもしれない」と述べた。
金融投資業界は、これからMMFから離脱した資金がどこに流れていくのかについても神経を尖らせている。一角では、最近の金利引き上げペースの鈍化を踏まえて、債券市場に流入する可能性を見込んでいる。
資産運用会社のある関係者は「妥当な投資先を見つけられない資金がMMFに流れ込むことが多い」とし、「金利が下がる時には、逆に債券価格は上がる。今が底値買いのチャンスと見て債券市場に資金が移る可能性がある」と話した。
ユ・ジョンファ記者