韓国の独自のICカード規格、年内開始へ

韓国で近く、独自のICカード規格である「KLSC(Korea Local Smart Card)」の利用が開始される。早ければ年内に使用が可能になる見通しだ。

与信金融協会によると、最近、KLSCテストと試験認証の過程が全て完了した。

KLSCは韓国型集積回路(IC)カードの標準規格をいう。これまでカード会社は、グローバルカード会社「EMV(ユーロペイ・マスターカード・ビザカード)」の規格に合わせてカードを製作してきた。

KLSCが商用化されると、海外のカード会社との手数料率交渉において、現在より有利な位置を占めることができる。海外のICチップ規格の必要性が減った場合、グローバルカード会社に合理的な手数料率を要求できるからだ。

KLSCの開発に着手したのは、やはりEMV依存度を下げるためだった。現在も海外のカード会社に対して支払う使用料などの費用は発生していないが、海外決済に際して1%ほどの手数料を払っている。

合わせて、今後グローバルカード会社から規格使用料が賦課され得るとの懸念も解消する。

与信金融協会の関係者は「海外カード会社が今後要求できるロイヤリティ(規格使用料)に備えるためにKLSCの開発に着手した」とし、「開発し認証を経るのに数年かかるため、事前に備えているのだ」と述べた。

続けて「現在、開発と試験認証の手続きが全て完了した状態であり、カード会社といつから商用化するか日程を議論している段階」と付け加えた。

与信金融協会はユビベロックスとの協業を通じて、2021年にKLSC規格の開発を完了した。カード会社を対象にベータテストも完了した後、決済安定性を検証するために昨年、外部企業での試験認証も行った。最近この認証も異常なく終わった。

KLSCの発行さえ始まれば、スムーズに商用化される見込みだ。既存の端末と互換できるので、加盟店の端末の交換作業も必要ない。

KLSCが商用化された場合、長期的に消費者の恩恵が増えるとの見方もある。

ソ・ジヨン韓国信用カード学会長は「KLSC商用化は、中長期的に国際ブランド会社の標準規格使用によるコストを減らすだろう」とし、「結果的に金融消費者に回る付加特典の増加につながる可能性がある」と述べた。

チョン・テヒョン記者