金融プラットフォーム化を目指す韓国保険業界
韓国でも、保険会社が銀行のように直接口座を発給できるようになるだろうか。保険会社が総合支払決済業に進出することになれば、新事業の方向性が広がり、ビックテックと同等の競争も可能なるものと見られている。
次期政権に口座発給ライセンス求める
生命・損害保険協会は最近、次期政権の大統領職引継委員会に保険会社の総合支払決済業への進出許可を求めた。
総合支払決済業は、金融会社に口座発給を認めるライセンスだ。認められれば預金と融資業務を除いた口座基盤サービスのほとんどを取り扱うことができる。
サムスン生命、現代海上などの保険会社で口座を作ることができれば、保険料や保険金の支給過程が単純化される可能性が高い。これまで保険会社と消費者の間に存在した銀行を省略し、直接取引が可能だ。
これに加え、保険業界は総合支払決済業がプラットフォーム事業に向けた第一歩になると見ている。
例えば、保険会社のアプリケーションひとつで利用者の決済情報を分析し、食品などを推薦・販売して決済する過程が一度に可能になる。また、ペット保険に加入した利用者には△ペット健康情報△動物病院の予約△餌・栄養剤の提案などの関連サービスをワンストップで処理できる。
金融商品の中でも消費者と日常的に接点の多い保険は、非金融サービスとの連携や金融サービスへの流入が期待できる。損害保険協会は今年初め、事業計画書でプラットフォーム化を第一目標に掲げた。
保険業界の関係者は、「銀行圏では花や飲食の配達が認められるなど、金融会社が非金融サービスに事業を拡大する傾向を見せている」としながら、「口座発給が認められれば、保険会社が多様なサービスを提供できる手段になるだろう」と話した。
ビックテックと公正競争
保険会社の総合支払決済業への進出は、ビックテックとの公正競争の基盤づくりにも貢献できる。カカオとトスはネット銀行に進出したことで、すでに口座を発給できる状態であり、ネイバーも総合支払決済業導入の意思を示唆したことがある。
ビックテックが少しずつ保険業に進出している状況で、ビックテックだけが総合支払決裁業ライセンスを獲得し、保険会社は口座発行が制限されれば、口座基盤サービス競争で不利になりかねない。今年下半期にはカカオペイの保険業進出が予定されている。
また、決済やオンライン保険商品の加入がビックテックに集中し、プラットフォーム事業者に従属する可能性もある。現在、ネイバーファイナンシャルでは「社長保険ガイドサービス」を通じて保険会社の義務保険商品を広告している。
別の業界の関係者は、「ビックテックではすでに口座を発行しているところもあり、支払指示伝達事業を扱っている」としながら、「金融会社との公正競争のレベルで必要になるものと見られる」と述べた。
パク・ジンヒョク記者