韓国の富裕層、相互金融に殺到…銀行の融資規制で「風船効果」

韓国の金融当局が銀行の融資のハードルを高くしたことを受け、相互金融に高信用者(富裕層)が殺到している。都市銀行の融資引き締めによる「風船効果」と見られる。

前年比で倍増

与党・共に民主党の閔馨培(ミン·ヒョンベ)議員が9月28日に発表した資料によると、今年上半期に相互金融で取り扱われた新規融資(37兆7165億ウォン)のうち、46.53%(17兆5499億ウォン)が信用格付け1~2等級の優良借主によって実施された。これは、昨年に比べて2倍近く増えた数値だ。

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これまでは相互金融の融資に占める優良借主の割合は、2018年は19.71%、2019年は21.41%、昨年は26.75%に過ぎなかった。しかし今年、都市銀行に家計融資総量規制が適用されたことで条件が厳しくなり、信用度の低い人が第2金融圏に移動する様子を見せている。

現在、相互金融のDSR(総負債元利金の返済比率)規制比率は150%と、40%の銀行に比べ大幅に高い。限度枠の高い融資が必要な高信用者には、相互金融から融資を受ける方が有利だ。

さらに、150%規制は個別の借主に適用されるのではなく、平均目標値だ。例えば、1人の借主にDSR100%を適用して融資が行われていれば、ほかの借主には200%とし、平均150%を合わせることができる。優良借主は、銀行から借りられない資金を、相互金融を通じてまかなうことができる。

低信用者にシワ寄せ

ここで問題は、相互金融で高信用者の融資が優先され、低信用者は後回しにされている可能性が高いことだ。

実際、低信用者に対する融資の割合は減少している。7等級以下の借主の融資が新規融資に占める割合は、◇2018年=18.52%、◇2019年=16.72%、◇昨年=13.78%、◇今年上半期=10.51%までに下落した。

また、相互金融で扱われた融資が不動産関連融資に集中し、高所得者の不動産投機需要が相互金融に集中したという指摘も出ている。今年上半期、相互金融で扱われた住宅担保ローンは10兆ウォンに迫り、企業の住宅担保ローンは23兆ウォンを突破した。企業に対する融資の98%が不動産関連の融資だった。

閔議員は「急騰する不動産価格に対する投資需要が、相対的に規制が弱い非銀行圏に集中している」とし、「相互金融が投機の迂回経路になっている」と述べた。

また、「こうなると、高所得者の不動産投機を防ぐための融資規制の目標達成には失敗し、第2金融圏を主に利用する階層が資金を調達する場所がなくなるという副作用が発生する可能性がある」と指摘した。

パク・ジンヒョク記者