韓国の金融圏「企業融資の目的外使用」が流行…金融監督院が動く

韓国の金融当局が、都市銀行や貯蓄銀行から個人事業主向け融資を受けた借主らが、資金を目的外に使っていないかを調べている。。

実体のない「事業者登録証」で

個人的な目的のために資金が必要な人が、実体のない事業者登録証(開業届)で企業融資を受ける事例が横行しているためだ。

金融監督院は先月から、都市銀行と貯蓄銀行、相互金融などを対象に「個人事主者向け融資の用途および類型の事後点検」を行っている。

同院は、企業向け融資が1件当たり1億ウォンを超えたり、借主が受けた融資が総額5億ウォンを上回ったりした場合、融資用途の確認や事後点検を実施する。融資申請時の用途とは異なる資金の使用が確認された借主は、融資金の回収や新規融資の制限などの制裁を受ける。

最近、韓国政府の家計融資規制の強化で住宅担保融資と信用融資を受けるのが難しくなった借主が、事業者登録証の発給を受け、個人事業主向け融資を受ける手口が増えた。これを受け、金融当局が管理強化に乗り出したものだ。

10月末現在、銀行による企業融資は1059兆3000億ウォンと過去最高を記録した。 このうち、自営業者が主に借りる個人事業主向け融資は計419兆2000億ウォンと、全体の約40%を占めている。

金融当局は急増した企業向け融資の資金一部が住宅購入や投機・投資目的などに使われるのではないかと懸念している。

金融圏全体のリスクにつながる恐れ

こうした迂回的な手法で融資を受ける借主は、債務返済が難しい脆弱な立場におかれている可能性が高い。会社を運営していない債務者が企業向け融資を通じて借りたものの、返済が滞り不良債権化していくことになれば、金融圏全体のリスクへとつながりかねない。

金融監督院の関係者は「先月、貯蓄銀行を含む全銀行に対し、融資関連資料を要請し、これを基に事後点検を行っている」としながら、「銀行内部で企業融資が用途外に利用されたかどうか、自主的な模範基準や内規に基づいて点検するようになっているが、事業実態の確認プロセスや融資を進める状況が適切に行われているかをチェックする」と説明した。

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一部では、個人事業主向け融資に対する事後点検以上に、迂回融資を防ぐ予防策が必要だという意見も出ている。

祥明大経済学部のソ・ジヨン教授は「自営業者向け融資の増加とともに便法融資が増えている状況を、金融当局がいち早く認知したようだ。違法な融資を受けた人のせいで、資金が必要な自営業者が融資を受けられない事態も想定され、予防のためにも金融界を対象に関連規制を設ける必要がある」と述べた。

イ・ジウン記者