韓国の銀行業界「週4日制を導入?ぜいたく過ぎる話」
週に4日出勤して3日休む「週4日勤労制」(以下週4日制)が大統領選挙の公約として浮上し、韓国の銀行業界でも導入の可能性に関する議論が始まった。
「フレックス勤務でむしろ仕事量が増えた」
週4日制は、労働時間の短縮で仕事と暮らしのバランスを取り戻し、良質の雇用を創出しようというのが核心内容だ。しかし、これに先立って実施された「週52時間勤務制」に合わせて運営中のフレックス勤務体系も定着していない状況で、週4日制の導入は時期尚早との指摘も出ている。
IBK企業銀行と新韓銀行では現在、労働組合を中心に週4日制の導入をめぐる議論が行われている。両銀行の次期労働組合委員長選挙に出馬した候補らが「週4日制の導入と営業時間の短縮」を公約に掲げたためだ。
まず、IBK企業銀行労組は今月1日、第2野党・正義党の沈相奵(シム・サンジョン)大統領選候補と「週4日制の大韓民国実現のための懇談会」を開いた。
沈候補はこの席で「デジタル時代の労働形態転換の可能性を経験した今が、週4日制導入の機会だ」と主張した。
これに関し、IBK企業銀行の関係者は「国策銀行であるIBK企業銀行が週4日制の導入議論を先行して始め、銀行業界の全般に拡散させたいと思う」と述べた。
しかし、週4日制に対する銀行業界の内外の視線は冷めている。文在寅(ムン・ジェイン)政府は労働政策の柱として、2019年に「週52時間労働制」を施行。これを機に拡大施行されているフレックス勤務制もまだ普及していない中で、勤務時間の追加短縮が実現できるはずがないという見方だ。
「社会的共感も不足」
実際、IBK企業銀行は、時差通勤や勤務時間の選択、集約勤務など、さまざまな形の弾力勤務制度を運用している。ただ、この制度を活用した職員は2136人(今年第3四半期累積基準)で、全役職員(1万3974人)の15%に過ぎない。
KB国民銀行の場合、フレックス勤務制の一環として、営業店での2交代運営(9to7)とアフターバンクを実施している。
2交代運営は、9時に出勤する行員は、午後4時に窓口業務を締め切った後、早めに退社。正午に出勤する行員が、午後7時まで窓口業務を行う方式だ。すなわち、営業時間は従来の午後4時から午後7時までに拡大されている。
アフターバンクは営業時間を従来の9~16時から、営業店と周辺の環境特性に合わせて10~17時、11~18時などと多角化したものだ。
KB国民銀行は柔軟勤務制の拡大を公言し、2交代運営とアフターバンクを2017年から運営してきた。しかし、この制度を導入した営業店は今月2日現在で、831店舗のうち43店舗(2交代勤務20店舗、アフターバンク23店舗)にとどまる。
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銀行業界の関係者は「多様な形態で運営されているフレックス勤務制度の影響で、むしろ正常勤務する行員の業務量が増え、超過勤務につながっている状況だ。特に、営業店勤務の行員はフレックス勤務を申請するのがかなり難しいのが現実」としながら、「その結果、会社側もフレックス勤務制の拡大施行には慎重にならざるを得ない」と述べた。
さらに、「こんな状況で、週4日制がまともに運用されるだろうか」とし、「そもそも消費者の利便性低下に対して社会的共感が形成されていない。それができるまで(週4日制は)ぜいたく過ぎる話しだ」と指摘した。
アン・ソユン記者