韓国の保険会社、資本不足の可能性…新基準の導入で

韓国で2023年から新しい国際会計基準(IFRS17)が導入されれば、国内の多くの保険会社で隠された不良要因が明らかになり、健全性の指標が低下する見通しだ。

韓国開発研究院(KDI)はこうした内容を盛り込んだ「保険消費者に対する預金者保護の制度改善案」報告書を2日、発表した。

保険負債は拡大、収益は縮小

2023年からIFRS17と連携した資本規制(K-ICS)が導入されれば、これまで過小評価されていた保険負債は時価評価を通じて拡大される。これに反して,過大評価されていた保険料の収益が縮小される予定だ。

さらに△長寿危険△解約危険△事業費危険△大災害危険などこれまで見過ごされてきた新たな保険危険源が新制度では危険要因として認識され、保険会社の資本不足問題が深刻化する見通しだ。

KDIのファン・スンジュ研究委員は、「これまで表面化していなかった不良要因が表面化し、多数の保険会社の資本比率が基準値を下回ることになり、数兆ウォンの資本増強が必要になる」と警告した。

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現在、預金保険公社は預金者保護法に基づき、個人が加入した大半の保険商品に対し、5000万ウォンまで保護している。保険会社が破たんしても、これだけは払い戻してもらえるという意味だ。

しかし、主な保護対象は保険料や保険金より、解約払戻金が中心になっており、注意が必要だという。KDIによると、保険加入者の大半(82.3%)は、預金保険公社が保険料や保険金を5000万ウォンまで保護していると認識している。

特に、解約払戻金が少ない保障性保険の加入者は予想より大きな被害を受けることもあり得る。例えば、解約払戻金がないか、少ない無・低解約の保険加入者の保護が死角にとなっている可能性が高い。

「預金者保護、保険金に変更を」

さらにファン研究委員は、保障性保険の消費者保護のため、預金者保護制度の主な保護対象を保険金に変更すべきだと主張した。

ファン研究委員は「保険会社が破たんすればできるだけ契約移転を推進して契約の連続性を維持し、移転された契約の保険金を一定限度まで保護する必要がある」とし、「アメリカとカナダ、イギリスなど主要国でも主な保護対象は保険金」と説明した。

続いて、預金者保護限度も高めなければならないと強調した。1989年に保険契約に対する保護限度額を5000万ウォンと定めた後、調整がなかった。この間の国民所得の成長を考慮すれば、限度引き上げが必要だという理由からだ。

現在、国際預金者保護機構(IADI)は預金者全体の90~95%を全額保護できる水準を適正な保護限度と判断している。これを適用すれば、保障性保険の場合、保護限度を1億ウォンまで引き上げれば、この基準を満たすことになる。

ファン研究委員は「銀行預金に対する保護限度が5000万ウォンなら、保障性保険の消費者に対する保護限度は5000万ウォンを超える必要がある」としながら、「預金は確定的に元利金を支払うが、保障性保険は保険事故発生という例外的な場合にのみ保険金を支払うので、同じ限度を適用すると保険消費者が過少に保護される問題が発生する」と述べた。

ユ・ジョンファ記者