韓国のネット銀行、中金利融資が減少…「趣旨色あせた」批判も
韓国のネット専門銀行での中金利融資の取り扱い比率が、減少傾向を示している。
ネット銀行は、設立に当たって金融当局に提示した中金利融資の目標達成に向け、積極的な営業を展開しなければならないが、家計向け融資の総量規制で身動きがとれずにいる。今年はペナルティ猶予で時間を稼いだが、来年の計画は依然として不透明な状況だ。
総量規制が影響
各ネット銀行の第3四半期末現在での中金利融資の割合は、ケイバンク13.7%、カカオバンク13.4%、トスバンク28.2%だった。
ケイバンクは第2四半期(15.5%)より1.8%減少した。トスバンクは10月の発足直後、33%まで上昇したが、融資の取扱速度を調節するため、発足9日後に新規加入を一時中断した。その結果、割合が5%超低下した。
カカオバンクの場合、中金利融資の割合が昨年第2四半期(10.6%)より2.8%増えたが、今年末の目標値である20.8%には遠い数値だ。
ネット銀行の中金利融資の拡大政策に支障が生じたのは、金融当局の厳しい融資規制のためだ。扱える家計向け融資の量は規制によって限られており、対象である中金利融資も、むやみに増やすことができなくなった。
こうした状況を受け、金融当局は中金利融資の目標値に達成できなくても、努力状況を評価し、ペナルティを与えないことを約束した。
来年から規制対象外か
また、韓国政府は来年から中金利融資を総量規制の対象外とする案を検討することを明らかにした。
しかし、韓国のネット銀行は依然として不確実性にとらわれている様子だ。
今年の目標を達成するまで時間稼ぎができたとしても、新型コロナウイルス事態の長期化によって拡大計画が遅れている状況で、2023年の目標値が達成できるかどうか、まだ予測するのは難しい。
中金利融資の総量規制からの除外措置がネット銀行の特例としての適用ではなく、金融業界全体に適用されれば、都市銀行も市場攻略に積極的に乗り出し、競争がさらに激しくなるという懸念の声も出ている。
ネット銀行は最近、中・低信用者に策定した融資金利が都市銀行より高いことが明らかになり、大衆から非難を受けたりもした。
ネット銀行3社による10月の信用格付け5~6等級対象の個人信用融資の加重平均金利は、カカオバンク年6.0%、Kバンク7.07%、トスバンク9.53%だった。それに対し、同期間の5大都市銀行(KB国民、新韓、ハナ、ウリィ、NH農協)は最低4.66%から最大7.82%だった。
また、7~8等級の低信用者の信用融資金利はケイバンク11.51%、トスバンク13.41%、カカオバンク8.65%と集計された。同じ条件の5大銀行金利はいずれも10%以下だった。また、都市銀行のうち7~8等級の信用融資金利を最も低く策定したNH農協銀行(6.4%)よりトスバンクの金利は最大で2倍以上高かった。
各ネット銀行はこれについて、都市銀行から融資を断られた顧客も受け入れており、信用リスク費用が上がり、加算金利を相対的に高く策定せざるを得ないと説明した。
しかしこれに対しても、銀行から融資を受けにくかった中・低信用者に、革新技術を通じ競争力のある金利で融資を扱うとしてきた趣旨が色あせたとの批判が相次いだ。
ネット銀行の関係者は「都市銀行より競争力のある信用格付けモデルを備えるためには、プラットフォームを基盤に収集した情報を活用してリスクの検証をしなければならないが、総量規制による新規融資の取扱中断で関連データの確保も計画より遅れている」と述べた。
続けて「新規販売は止まり、今まで販売した中金利融資の元利金の均等返済および中途返済で取扱額が減り、一生懸命に引き上げた中金利融資の割合が再び下落している」としながら、「ネット銀行が目標値を自主的に決めたのは事実だが、予想できなかった変数が発生したことを考慮し、当局レベルで柔軟化措置を取ることを期待している」と付け加えた。
アン・ソユン記者