韓国カード業界、キャッシングサービスの利用が低調
韓国でキャッシングサービスの利下げが続き、利用者が増えるものと期待されていたが、実際はそうではないことが分かった。カード会社が中・低信用者に対するキャッシングサービス利用枠を調整するなどリスク管理を強化した影響とみられる。
カードローンと金利差縮小でも
韓国政府の与信金融協会によると、キャッシングサービスの平均金利は今年7月、法定最高金利の引き下げ(24%→20%)の影響を受け、下落傾向を見せている。△5月末17.90~19.19%、△6月末17.78~19.08%、△7月末17.78~18.74%、△9月末16.28~18.73%と持続的に低下している。
カードローンの場合、今年8月に韓国銀行(中央銀行)が基準金利を引き上げて以降、金利が上昇を続けてきた。カードローンの平均金利は6月末の12.45~13.52%から9月末の12.60~15.43%へと、3カ月で最高1.91%上昇した。
これに対し、カードローンとキャッシングサービスの間の金利差は6月末の5.33~5.56%から9月末の3.3~3.68%に縮まっている。
第2金融圏の融資商品の中でも金利が高く、「緊急時の資金繰り」の代名詞だったキャッシングサービスの金利は下がっているが、消費者は大きな関心を示していない。カード会社が中・低信用者を対象にリスク管理に乗り出した影響だ。
カード会社7社(サムスン、ハナ、KB国民、ウリィ、新韓、現代、ロッテ)のキャッシングローン取扱高は37兆834億ウォンで、前年同期(37兆4181億ウォン)比1.8%増にとどまった。カードローンでは同期間、金利引き上げ措置にも関わらず、取扱額が8.7%増えたのとは対照的だ。
カード業界のある関係者は「カードローンの場合、家計負債の急増を抑制するための第1金融圏の融資規制の風船効果で需要が増えた」としながら、「一方、キャッシングサービス需要はカードローンより優良会員が少ないため、中・低信用格付けに対する利用限度調整などリスク管理強化の影響で取扱額がそれほど増えなかった」と述べた。
利益も低調
カード会社のキャッシングサービス収益も低調だった。カード会社別の今年第3四半期までのキャッシングサービス収益(累計)を見ると、現代カードの場合、789億ウォンで前年同期(926億ウォン)より14.8%下がり、サムスンカードは1506億ウォンから1480億ウォンへ1.7%減少した。銀行系カード会社のKB国民カードとウリィカードもキャッシングサービス収益が4.6%(1274億ウォン→1216億ウォン)と4.3%(716億ウォン→686億ウォン)それぞれ減少した。
来年1月から拡大施行されるDSR(総負債元利金の返済比率)規制で、カード業界の融資市場の様相が変わりかねないという見通しも出ている。今後、カードローンがDSR規制の対象に含まれ、これに対する風船効果でキャッシングローン市場が活性化する可能性があるという。
ソ・ジヨン韓国クレジットカード学会の学会長は「キャッシングサービスは高金利である上、多重債務の利用者が多く、貸倒費用や追加引当金の積み立てなど機会費用が多くかかるため、カード会社が忌避する傾向を見せた」としながら、「しかし、カードローンがDSR規制対象に含まれることにより、今後は金利と限度条件が緩和されたキャッシングサービスの利用者が増えると予想される」と述べた。
チョン・テヒョン記者