韓国政府、銀行に動産融資の活性化を注文
中小企業への金融支援のため、銀行に「動産担保融資(以下、動産融資)」の活性化を注文している韓国の金融当局だが、実態は期待に遠く及ばないようだ。
金融監督院によると、韓国銀行圏の動産融資規模は、昨年第3四半期末まで累計1兆6880億ウォンとなっている。
増えてはいるが、期待に及ばず
2020年第3四半期末の1兆2814億ウォン、昨年第1四半期末の1兆4888億ウォンと持続的に増加しているが、依然として市場の期待値に及ばない水準だ。
動産融資とは、生産設備のような有形資産、原材料、在庫資産、農畜水産物、売上債権など、企業が保有する動産を担保とする融資商品のことをいう。
金融当局は、不動産担保が不足しているか、信用融資の限度が一杯になった中小企業に対する金融余力の拡大策として、「動産融資」の活性化を挙げた。さらに、2022年までに取扱規模を6兆ウォンに増やすという目標を立てている。
その後、「動産担保回収機構」を発足させ、制裁免責対象に動産融資を含むなど銀行の積極的な参加を促した。だが、実態は目標に遠く及んでいない。
現在、都市銀行のうち、動産融資で独歩的な力量を見せているのは新韓銀行だ。金融当局が強力なドライブをかける前の約2年前までは、動産融資の実績が中位圏レベルだったが、毎四半期ごとに成長を続け、昨年下半期から市場シェアを大幅に伸ばした。
新韓とウリィで大きな落差
新韓銀行の昨年第3四半期末までの動産融資残高は、累計2460億ウォンと、第1四半期末(1006億ウォン)に比べ144%急増した。
同期間、KB国民銀行(1849億ウォン→1995億ウォン)とハナ銀行(1724億ウォン→1961億ウォン)はそれぞれ15%、12%ずつ小幅増加した。一方、ウリィ銀行の動産融資残高は149億ウォンと、著しく低かった。これも昨年第1四半期末に比べて0.1%減少した数値で、成績が最も低調だった。
IBK企業銀行の昨年第3四半期末の動産融資残高は累計8107億ウォンと、全体の48%の割合を占めている。ただ、昨年第1四半期末(7949億ウォン)と比べた上昇率は9.16%で、一桁にとどまり、中小企業に特化した国策銀行としての役割がやや足りなかったとの評価を受けた。
金融委員会の関係者は「新型コロナウイルス事態で中小企業の金融接近性はさらに悪化し、特に、担保余力の減少が外部資金調達の最大の障害になっている」としながら、「これを解決するためには担保余力の評価方式の改善などの戦略が必要な状況だ」と述べた。
続けて「多様な支援政策と銀行の努力が加わって動産融資の成果が可視化しているが、目標値までまだ道のりが遠く、やや停滞していて残念だ」とし、「銀行は動産融資を互いに牽制して競争しなければならない市場と認識せず、リスク管理のノウハウなどを共有しながら皆で奮発して成長していく姿を見せる必要がある」と付け加えた。
アン・ソユン記者