韓国カード会社の融資原価上昇…低信用者の居場所せまく

韓国で金利の上昇期が到来し、カード会社の低信用者融資の原価費用が、法定最高金利を大幅に上回っている。カード会社が、収支が合わない低信用者に背を向けかねないという懸念の声が出ている。

クレジットローンで30%台

韓国金融研究院によると、基準金利が1.5%の現在、カード会社の低信用者(信用格付け7~10等級)のクレジットローンの平均原価金利は32.2~34.8%と推定される。

クレジットローンの原価金利とは、融資の供給額当たりに発生する年率化(annualized)された事業費用で、調達費用、販売管理費用、不健全性の発生による貸倒費用などで構成されている。

金融会社は原価金利を算定した後、利益を上げるため、それより高い金利で融資を供給するが、低信用者に対しては融資審査に必要な情報が蓄積されていない傾向などから、通常、法定最高金利に近い融資金利を策定する傾向がある。

原価金利は基準金利が0.5%だった2020年6月の28.8%に比べ、3.4~6.0%増加した。基準金利が2%に引き上げられた場合、平均原価金利は34.1%から38.1%まで増えると予想される。

これは法定最高金利の20%より15%ほど高い数値で、カード会社が低信用者に最高金利で融資を供給しても損をすることになるという意味だ。

「低信用の顧客を減らすしか」

これについてカード会社の関係者は「資金調達費用の増加と低信用者が持つリスクに見合う金利を決める必要があるが、融資原価金利が高くなると、低信用者の扱いを減らすしかないのが実情だ」と述べた。

続いて「現在、政策庶民金融商品である『ハッサロンクレジットカード』を運営しているが、融資商品を提供することは、ますます難しくなるとみられる」と付け加えた。

融資原価金利が増えたのは、基準金利が引き上げられ、カード会社の資金調達費用が増加した影響だ。カード会社は受信するための機能がなく、資金調達を社債に依存するので基準金利に敏感だ。

韓国銀行(中央銀行)が基準金利を昨年0.5%から今年1月1.25%へと0.75%引き上げる間、カード債の金利は2倍以上が上がった。

今年2月末、AA+等級カード債の市場金利(民間債権評価士の時価評価基準)は2.924%で、前年同月の1.333%に比べて1.591%増加した。

依然として、追加な基準金利引き上げの可能性が残っており、カード会社の資金調達の増加傾向は続く見通しだ。アメリカ連邦準備制度理事会が急増した物価を考慮して3年ぶりに利上げのカードを切り出し、韓国銀行も今年最大2回の利上げを実施すると予想されている。

このままだと、カード会社の低信用者融資の供給が急激に減りかねず、金融当局が法定最高金利の見直しを行うべきだという主張が持ち上がっている。

専門家「代案が必要だ」

韓国金融研究院研のオ・テロク究委員は「今後、金利上昇期が本格的に到来する場合、最高金利が脆弱(ぜいじゃく)借主の民間金融排除に及ぼす影響はここ10年余りとは異なる」としながら「対応のために最高金利水準に対するガイドラインを設けるか、経済状況と連動して最高金利を準則化する案などを考慮しなければならない」と述べた。

祥明大学経営学部のソ・ジヨン教授も、「昨年は融資規制強化が行われ、信用度の低い人への融資が減っている。基準金利が引き上げられ、こうした傾向が深刻化している」としながら「多重債務者と多くの生計型融資の借主がカード会社の融資商品の特性上、一時的に規制を緩和するなどの代案が必要だ」と説明した。

チョン・テヒョン記者