カカオペイ証券、存在感増すも収益性改善が切実

カカオペイ証券が発足3年目で、リテール市場において存在感を誇示している。ただ依然として、収益性の改善が課題となっている。

リテール事業の領域を拡大

金融投資業界筋によると、カカオペイ証券は「生活の中での投資経験の拡大」を重点としたMTS(Mobile Trading System)の高度化作業を進め、リテール事業領域を拡大する方針だ。

詳しくは今年の上半期内、カカオトークの友達に海外株式をプレゼントするサービスをローンチングする。下半期にはカカオトークで簡単な株式取引まで可能にする計画だ。これはカカオトークとの連携を通じて日常と投資を結びつけ、市場競争力を高める戦略だ。

しかし業界では、リテール競争力の拡大が直ちに直接的な収益につながるかは難しいと見ている。カカオペイ証券が主要ターゲットとする顧客層がMZ世代、または株式初心者である状況で、彼らが運用する資金が一回性あるいは小口投資に過ぎないという理由からだ。

特に、年内の高度化作業の進行過程で、追加で営業費用を支出することは、収益の対比赤字幅がさらに拡大するとの見通しを強めている。

カカオペイ証券は今年2月の発足以来、7四半期連続で赤字を続けているだけに、収益性の改善が切実な状況だ。

発足後初の成果として、2020年第2四半期に24億9900万ウォンの当期純損失を出した後、10億2400万ウォン、39億3900万ウォンの追加損失が続き、2020年には67億5100万ウォンの赤字を記録した。昨年の場合、四半期別損失額がさらに大きくなり、年間赤字額を170億4800万ウォンまでに拡大した。

「必要性に共感」

カカオペイ証券側は収益性の改善が必要だという点に共感するだけに、今年の収益性増大を目標に事業領域を拡大する計画だ。

このため、今年下半期中に信用融資、株式担保、売却代金担保、貸主取引など多様な融資サービスをローンチングする方針だ。証券会社の融資サービスは通常、株式買収に必要な資金を貸す形で進められるだけに、リスクの少ない代表的な高収益源として挙げられる。

カカオペイ証券は発足後、計5回にわたる段階的有償増資を通じて信用融資事業の基盤を整えた。自己資本3兆ウォン未満の証券会社は自己資本の100%水準で信用融資を提供できるだけに限度を高めるという戦略からだ。

ツートラック戦略を実行

さらに、不動産PFやIB(投資銀行)など重点力量の競争力をさらに高める「選択と集中戦略」を通じて、ホールセール(法人営業)領域での収益性を確保する方針だ。

カカオペイ証券の関係者は、「変化と革新を重点としたリテール部門の市場シェア拡大と収益性増大を目標にしたホールセール領域の競争力確保を同時に続けるツートラック戦略を展開する」としながら、「さらに、リテールとホールセールのシナジー効果を本格的に創出する計画だ」と述べた。

ユ・スジョン記者