韓国の証券業界、純利益「1兆ウォンクラブ」到達なるか

昨年、過去最大の実績を上げ営業利益「1兆ウォンクラブ」に合流した証券会社が、純益「1兆ウォンクラブ」入りを目指している。ただ、一部では韓国証券業界の不況が続くだけに、さらなる業績改善は難しいと見ている。

営業利益1兆ウォンは3社

金融監督院が、直前の事業年度比で30%(大規模法人15%)以上の損益変動があったとして2021年の業績を公示した証券会社は計9社だ。これら企業の前年比の営業利益の伸び率は64.28%だった。

このうち、1兆ウォン以上の営業利益を達成した証券会社は、未来アセット証券、NH投資証券、サムスン証券の3社だ。未来アセット証券は1兆4858億ウォン、NH投資証券とサムスン証券はそれぞれ1兆3167億ウォンと1兆3111億ウォンを記録し、両社は営業利益「1兆クラブ」入りを果たした。

メリッツ証券は1兆ウォンに迫る9489億ウォンを、大信証券は8956億ウォンの営業利益を記録した。現代車証券、KTB投資証券、SK証券、漢陽証券は、営業利益規模は大手証券会社に比べて小さいが、前年同期と比べて302.5%増の成果を上げた。

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金融業界では、まだ実績を公示していない証券会社も同様に、好業績を上げたものと見ている。

金融情報会社、エフアンドガイドによると、キウム証券の昨年第4四半期の営業利益は2355億ウォン、韓国投資証券を保有している韓国金融持株は2793億ウォンと試算されている。両社が昨年の第3四半期までにそれぞれ9608億ウォン、1兆2461億ウォンの営業利益を達成したことを勘案すると、これら2社も最終的に1兆ウォン以上の営業利益を出したと金融投資業界は予測している。

「2022年は減益」予想

一方、証券会社が営業利益に続き、純利益で「1兆ウォンクラブ」に到達するのは難しいと見られている。

大多数の証券会社が損益構造変動の主な原因として、ブローカレッジ(Brokerage、委託売買)の売上増加を挙げた。しかし、今年に入り出来高が減少するなど、株式市場の不況が続いているのが理由のひとつだ。

さらに、アメリカ発の流動性緊縮への恐怖に、新規公開株(IPO)ブームまで下火になっている。今年の大魚級IPOだったLGエネルギーソリューションが公開直後に公募価格の2倍を達成できなかったことに続き、現代エンジニアリングも機関投資家の需要予測が振るわず上場を撤回した。

現在のところ、年間純益で1兆ウォンを達成した証券会社は未来アセット証券(1兆1872億ウォン)だけだ。サムスン証券とNH投資証券の当期純利益はそれぞれ9658億ウォンと9479億ウォンの水準だ。

キウム証券のソ・ヨンス研究員は「株式投資資金の源泉として利用された信用融資が金融当局の規制によって縮小し、個人の投資余力が低下している」としながら、「今後、金融消費者保護法などを通じて融資を利用した資産投資規制が強化されるとみられ、政府規制の影響はますます拡大する」と述べた。

大信証券のパク・ヘジン研究員も「取引代金の減少でブローカレッジ手数料収益の減少が続き、2022年の利益減少は避けられない見通しだ」と分析した。

ユ・スジョン記者