韓国のNH投資証券、債券取引で多額の評価損
NH投資証券が今年に入り、債券取引で大幅な評価損を出したことが分かった。韓国内外の通貨政策の不確実性が続いている状況の中で、損失がさらに膨らむのは火を見るよりも明らかな状況だ。
前年同期比73%減
NH投資証券の第1四半期の運用損益および関連利子収支は、前年同期の3081億ウォンから73.6%減少した813億ウォンとなった。
運用損益はマイナス247億ウォンを記録し、前年同期(1598億ウォン)比マイナスに転換した。運用関連利子収支も1483億ウォンから1060億ウォンへと28.5%減少した。
国債1年物と3年物の金利が前の四半期と比べそれぞれ0.47%、0.87%上昇したのはもちろん、グローバル証券市場の変動性拡大、地政学的イシューなど国内外の運用環境の悪化が重なった影響だ。
これは実績発表前から予想されていた結果だった。今年に入り、韓国銀行(中央銀行)が基準金利を2回にわたって計0.50%引き上げたからだ。通常、基準金利が上がれば、債券金利も同様に上昇する反面、債券価格は下がる。
韓国信用評価は、長短期の市場金利が0.50%上昇した場合、国内証券会社の債券評価損失予想規模は9000億ウォン(昨年9月末の保有現況基準)に達すると推算している。
特に、NH投資証券は債券を主力事業領域としているだけに打撃が大きかったというのが業界の評価だ。派生結合商品である株価連動証券(ELS)と派生結合証券(DLS)、買戻し条件付債券(RP)型CMAなどの商品に含まれた債券の比重は、最大95%に達するほどだ。
RP型CMAは、買い戻し条件付債券を基盤とする総合資産管理口座で、CMAに振り込まれた資金を確定金利型RPに自動投資し、利子収益を得る。随時入出金が可能だ。
業界ではNH投資証券が保有・運用する債券規模を約20兆ウォンと推定している。一般的に大手証券会社の債券運用規模は10兆ウォンほどだ。
さらに、NH投資証券は、優秀国債専門ディーラー(PD、Primary Dealer)にも選定されるほど、債券市場で活発に活動している。
企画財政部は国債の安定的な消化のため、一定の資格を備えた金融機関をPDに選定し、独占的に入札させている。
「下半期に回復期待」
金融投資業界では第1四半期に続き、第2四半期まで追加的な評価損が出ると分析している。国内外で通貨政策の不確実性が続いている中、最近、新任の李昌鏞(イ·チャンヨン)韓国銀行総裁が基準金利の追加引き上げの可能性まで示唆したという理由からだ。
イベスト投資証券のチョン・ベスン研究員は、「昨年第4四半期に一部の投資資産で発生した評価利益と引当金の繰入効果が消滅し、運用利益の減少幅がさらに大きく表れたものとみられる」としながら、「取引代金の萎縮や市場金利の急騰など、非友好的な業種環境が最近まで続いており、当面、減益基調は避けられない見通しだ」と予想した。
ただ一部では、現在は市場金利が短期的に過度な上昇を見せているだけに、長期的に債券市場が安定した場合、業績が徐々に回復するものと見られている。
ユアンタ証券のチョン・テジュン研究員は、「NH投資証券は過去にも一時的に金利が急騰した時、大規模な損失が発生したが、金利が再び下落すれば、逆に評価利益を確保し、年間利益を防御してきた」としながら、「今後、債券市場の反発とともに業績も回復するだろう」と述べた。
ユ・スジョン記者