韓国の貯蓄銀行、「募集人」への依存度が大幅減
韓国の貯蓄銀行が、貸出募集人を通じた融資を大幅に減らそうとしている。貸出募集人は金融機関と契約した上で借入希望者を募り、融資契約が締結されると、実績に応じて金融機関から手数料を受け取る。保険代理店と似たシステムと言える。
「融資詐欺」加担で当局が検査強化
貯蓄銀行中央会によると、昨年第4四半期に貯蓄銀行と契約していた貸出募集人は2210人で、前年同期(2960人)比で25.3%減った。募集人の数は△昨年第1四半期=2890人△第2四半期=2840人△第3四半期=2510人と、減少が続いている。
金融監督院により昨年、貸出募集人を通じた融資詐欺が摘発された影響とみられる。融資詐欺とは、事業者登録証、所得証明書類、在職証明書など、融資申請時に必要な書類を偽・変造して金融会社から融資を引き出す詐欺行為を指す。
金融監督院は昨年4月から5週間、ペッパー貯蓄銀行を対象に随時検査を実施。同年7月頃、貸出募集人が中心となり、融資を受ける資格がない借主の書類が偽造され、融資が不当に実行されていた事例を発見した。
これをきっかけに金融監督院の監督が強化されると、募集人の数が急速に減少した。昨年8月には、史上初めて貸出募集法人を対象とした金融監督院の検査が施行された。
昨年の下半期だけで募集人が630人余り減少し、直前半期減少数(120人)と比べ5倍ほど減少数が拡大した。
金融委員会は、募集人に対する管理及び事後点検の手続きを強化すると表明。また、5つの大手貯蓄銀行で1兆2000億ウォン規模の違法な融資取扱事例を捕捉したことも明らかにした。
貯蓄銀行中央会の関係者は「募集人の減少は検査が強化されたためでもあるが、金融消費者保護法の影響も受けたように見える」と述べた。
デジタル化も影響
貸出募集人は2021年に施行された「金融消費者保護に関する法律」に従い、金融監督院と金融業圏別の協会に登録することが求められるようになった。登録のためには資格要件を満たさねばならず、従来と比べ営業活動に対する法的責任も強化された。
また、業界がデジタルプラットフォームを強化し、非対面チャンネルにリソースを集中した影響もある。募集人を通じた営業の場合、延滞のリスクと手数料コストの負担もある。
募集人が接触する借主は少なからず、度重なる延滞履歴があり、健全性指標を下落させる要因となり得る。募集人たちは手数料収入を増やすため借主に対して融資を無理に勧めるなど、モラルハザードに脆弱であるからだ。
ある貯蓄銀行の関係者は「業界がデジタル強化に集中することで、非対面を通じた顧客の割合が拡大した。最近、融資比較プラットフォームなどを通じた顧客の流入も増え、募集人の需要がどんどん減少している」と話した。
チョン・テヒョン記者