韓国政府「貯蓄銀行の資産規模を考慮した監督体系を導入」
大型と中小型の貯蓄銀行間の両極化が拡大しているのを踏まえ、資産規模に合わせて差別化された監督システムを導入する――。
韓国の鄭恩甫(チョン・ウンボ)金融監督院長は1日、「貯蓄銀行代表取締役の懇談会」でこのように述べた。金融監督院は大手貯蓄銀行に対し、資本比率を先進化するなど、健全性規制を段階的に高度化する方針だ。
同院は今年4月にも、貯蓄銀行規制の差別化について言及したこともある。当時、同院は大手貯蓄銀行に対し、国際会計基準(IFRS)を適用、バーゼルⅡとⅢを順次導入すると明らかにした。
続いて、鄭院長はリスク管理の重要性も強調した。
同院長は「グローバル経済の不確実性が続き、家計債務と金利上昇が重なり、急激な資産価格調整を伴う可能性がある」としながら「貯蓄銀行は2011年、『貯蓄銀行事態』で国民経済に大きな負担を与えた記憶があるだけに、改めて事前的リスク管理の重要性が浮上している」と説明した。
金融監督院は、危機状況分析(Stress Test)を強化し、リスク脆弱部門への先制対応のため、貯蓄銀行別の検査周期や範囲を弾力的に運営する計画だ。
金融消費者の保護について鄭院長は「貯蓄銀行は地域庶民の金融機関として何よりも信頼が重要だ」としながら「消費者保護にもっと忠実でなければならない」と強調した。
金融消費者保護法の早期定着を
金融監督院は、金融消費者保護法の早期定着のため、現場点検を通じて不十分な事項を補完する。また、新型コロナウイルス長期化で苦境に立たされている庶民・脆弱階層の経済活動に向けて債務調整も拡大する。金利上昇期に消費者の費用負担を軽減するため、金利の算定体系を合理的に改善し、金利引下げ要求権も活性化する方針だ。
そのほか、鄭院長は規制改善や貯蓄銀行への支援策についても話した。
金融監督院は、貯蓄銀行だけに適用してきた融資規制を緩和する。これまで貯蓄銀行は、借主がプロジェクト・ファイナンス(PF)に事業資金の20%以上を自己資本で調達する場合にのみ、融資コンソーシアムへの参加が可能だった。
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鄭院長は「貯蓄銀行の利用者の選択権拡大し、金融サービスへのアクセスを向上させるため、貯蓄銀行中央会の金融プラットフォームの構築を支援する」と述べた。
最後に「資産成長にふさわしいリスク管理を行い、貯蓄銀行の不良化が金融システムのリスクに転移することが再現させてはならない」としながら、「今後、貯蓄銀行が地域庶民の金融機関として確実に位置づけられることを期待する」と述べた。
パク・ジンヒョク記者