韓国ABL生命、劣後債1300億ウォンに増額
韓国ABL生命が、劣後債を既存の計画より増額して発行する。需要予測が不振にもかかわらず、新支給余力制度(K-ICS‧キックス)への対応のため実行に乗り出した。
需要予測、不振でも強行
K-ICSは、今年から保険会社に対し新たな国際会計基準(IFRS17)が適用されるのを受けて導入された資本健全性評価制度であり、昨年まで適用されていたRBC(支給余力制度)を代替する。
ABL生命によると、従来発行予定だった700億ウォン規模の劣後債を1300億ウォンまで増額する計画だ。
当該劣後債の利回りは、希望金利帯の6.0〜6.6%レベルで決まると観測される。10年満期に5年早期償還権(コールオプション)の条件がつく。
ABL生命は、主幹事会社である韓国投資証券に劣後債1300億ウォン全てを売却するつもりだ。ABL生命の関係者は「劣後債は計画されたスケジュールに合わせて、14日に主幹事会社が全額買収し、個人投資家に販売する予定だ」と述べた。
これは市場の予測とは反対の動きだ。前日行われたABL生命の700億ウォン規模の劣後債の需要予測では、全量の未売却が予測されたからだ。需要予測とは、金融会社が債券を発行する前、市場で債券物量がどれほど消化されるかを見通す過程だ。
ABL生命が需要予測の失敗にも増額発行を選んだのは、資本拡充に対する強い意志によるものと解釈される。
実際にABL生命は、今回の劣後債の発行目的について、新支給余力制度への備えなど資本健全性向上のためだと説明した。社債発行を通じてK-ICSに備えるとともに、金融環境の変化など各種リスク要因に備え、営業競争力を確保する方針だ。
一方、昨年の第3四半期基準のABL生命のRBC比率は215.11%だった。今回の社債発行後、RBC比率の推定値は225.51%となり、10.40%ポイントほど改善されるという説明だ。ただ、今年適用されるキックス比率で、どの程度の改善になるかは未知数である。
パク・ジンヒョク記者